「さようなら、愛しい人」
"もう、いいのかい?"
あなたは言いました。
夢の中。
束の間の夢の逢瀬。
はい、もう、いいのです。
あなたはあなたの逝くべき場所へ。
寂しくはないと言ったら嘘になります。
だから、寂しいと言います。
"正直だね。そう、寂しいんだね。本当にいいのかい?"
はい。いいんです。
私には、あなたとの思い出がある事を知りました。
あなたをこれ以上縛りつける訳にはいかないでしょう。
だから、寂しいけれど、お別れをしようと思いました。
"僕の気持ちは知らん顔?"
はい。あなたはきっと此処に留まると言うでしょう?
それは、良くない事だと思うのです。
私を一人では生きられない人にあなたはしたいのですか?
"いや、それは、困るな。わかった。君が望むんだ。僕は逝くべき場所へいこう。"
はい。お互いに前へ進みましょう。あなたを思い生きていきます。
大丈夫です。
"そう。じゃ、いくよ。また、いつか…来世で…逢おう…。"
ゆっくりと消えてゆく。
あなたの姿。
あなた、いつかまた、来世でお逢いしましょう。
さようなら。
あなた。
さようなら…愛しい人…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
"愛しいあなたとの思い出がある。私は大丈夫です。どうか心配なさらないで下さい。"
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?