「星が好きなのだ」
夜空の星に手を伸ばす。
小さな子供が星に手を伸ばす仕種を真似て。
真似…違う。
夜空の星が近くに見えるものだから手が届きそうな気がしたんだ。だから、何となく星に手を伸ばした。
ここは街灯もないちっぽけな田舎町。
星が近くに見える。
だから、星に手をのばしたくなったんだ。
手なんて届くわけないのはわかってるけど。
手を伸ばしてしまうくらいに星の瞬きが綺麗で。
好きじゃない、この田舎町でもたった一つ好きになれるところ。
星が綺麗だというところ。
たんに星が好きなのだ。
だから星に手を伸ばしたくなったんだ。
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