「愛しいお前へ」
愛しいお前へ
お前がコレを読んでるって事は俺はお前の前に居ないってことだな。
俺の命は短く散り逝く運命だと知ったとき、お前を突き放したはずなのにお前は俺を見捨てる事無く一緒にいる事を選んでくれた。
俺が今までちゃんと生きていられたのはお前のお陰だな。
病に負けるつもりはなかったが、どこか諦めていた俺をお前はちゃんと支えていてくれた。
俺がお前と共に在りたいと願う事ができたのはお前のそんな強さに惹かれたからだろう。
お前は気丈に振舞うけど影で泣いてるのも俺は知ってた。
それでも、俺はお前を手放す事ができなかった。
俺の生きる意味がお前という存在その物になっていたからだ。
お前と共に在ることができる今を大切にしたかった。
お前が辛いだろうに笑う姿が可哀想に思うときもあったがそれでも俺はお前を離せないと思った。
「すまなかったな、お前に頼り過ぎてた。」
俺が一度、そう口にしたときお前は俺に言ったな。
「らしくない。」ってな。
その言葉にお前の決意みたいなもん感じちまった。
俺をちゃんと見送ろうと決めてくれてたんだな。
俺の杞憂はいっきに晴れた。
お前のそんな気丈で優しい心が俺に今まで奇跡を起こさせてくれてたんだろう。
ありがとうな。
これからは、お前の幸せを謳歌して行ってほしい。
俺のために使った献身的な愛をまた誰かに与えて行ってほしい。
お前が人並みの幸せを掴むことを望んでいる。
愛しいお前が幸せになることを俺は望んでいる。
たまぁに俺を思い出してくれたらいいから。
俺の為に尽くした愛を今度は誰かに与え、その分の愛を誰かからもらって幸せに・・・どうか・・幸せになってくれ。
空のどこかで俺は見守る。
お前の幸せな姿を・・・。
ありがとうな。