pixivではないけれど、こんなの書いてました。

某ゲームの妄想恥文。

BLではなく、普通です(笑)

『桜花のように』

永倉新八は悩んでいた。

彼にしては深刻に。


「なぁ、こっちの簪とこっちの簪ならどっちが女の子ってのは喜ぶもんだろうな?」


徐に店主へと問いかける。


「そうでございますね、こちらの梅の花があしらわれた簪は少し幼い感じの方にお似合いかと思いますよ。そしてこちらの桜の花のあしらわれた少し見た目もよい簪ですので黒髪には控えめですが映えるとおもいますよ。」


店主の黒髪に控えめに映えるという言葉に何かを感じたのだろう桜の花があしらわれた簪を手に持ち店主へと突き出す。

「じゃぁ、これをくれ。」

店主はにこにこと笑いながらそれを受取ると桐の箱に簪をしまい込み永倉に手わたした。

「ありがとうございました。」

永倉は簪を店主から受取ると代金を払い店を後にした。

「買っちまったはいいが・・・どうやって渡すかだよなぁ・・・。」

永倉は買ったはいいが渡すのにどうするかを今度は悩み始める。


道を歩きながらブツブツと呟く。

「しかし、千鶴ちゃんが喜んでくれるかだよな・・。ああ、俺ってこんなに女々しかったか?」


そんな新八の肩をポンポンっと叩くものがいた。

新八はビクッとなりながら振り向く。

「やっぱり、新八じゃねぇか。」

「ひっ土方さん!」

「お、おう。いきなりでけぇ声だしてんじゃねぇよ。何をそんなに驚く事があんだよ。」


その人物は鬼の副長土方歳三その人であった。


「お、おお、すまなかったな、土方さん。いきなり肩叩かれたからよ、つい、でかい声だしちまった。すまねぇな。」


「おお、かまやしねぇよ。俺もちょっとびっくりしただけだ。で、何をブツブツ言ってやがんだ?」


土方に聞かれ永倉はまた焦りだす。


「なっ、何でもねぇよ。いや、あれだ、今日の晩飯は何だろうなってブツブツと。」


「ふ~ん。」


土方は何かふに落ちない返事をしながら永倉の顔をみる。


永倉は土方と目があうとさっとそらす。


「ほんとに、それだけなんだろうな?」


「あ、あったりまえだろう」


返事する声が裏返る。


「まぁ、悪い事考えてんじゃねぇんならいいんだがな。どうせ、屯所までけぇるんだろ。一緒にいくか。」


変に拒むのも何なので永倉は渋々一緒に歩き始めるのだった。



屯所に着くと永倉は土方と別れて千鶴の部屋へ向かおうとしていた。


「あ、新八っつあん。」


「よう、新八ぃ。どこいってたんだよ。」


藤堂と原田が永倉を呼び止める。

永倉はギクリとしながら振り返る。

「よ、よう、お前等・・。」

「そんなに急いでどこに行こうってんだ?」


原田の質問に永倉は懐の簪に手を触れながらドキドキとしながら答える。


「べっ、別に・・なんでもねぇよ。そ、それより何か用事か?」


「用事っていう用事はねぇけど、新八っつあんが慌ててどこかに向かってるから呼び止めただけだけど。なぁ、何か様子がおかしいけど何かあんの?」

「ばっ・・ばか言えよ、何にもねぇよ。そ、それより、お、俺はちょっと用事があるからよ。い、行くわ。」


永倉は慌てた笑みを浮かべながらその場を急ぎ足でさるのだった。


その後姿を見ながら原田が呟く。


「新八のやつ、何か隠してるな。」



原田の呟きに藤堂は?という顔をするのだった。


永倉はうまく逃れられたと思いそのまま千鶴の部屋と向かう。


「ちっ、千鶴ちゃん、いるか?」

障子のまえで千鶴の返答を待つ。


「永倉さんですか?いますよ、どうぞ。」

千鶴の声が中から聞こえると永倉は障子を開けて中に入る。

「どうされたんですか?」

永倉の突然の訪問に少し驚いて千鶴は尋ねる。


「いやぁ、そのっ・・。」


「はい?」


「ああ、まどろっこしい説明は俺ぁ、苦手なんだ・・。これ、何もいわずにうけとってくれ!!」


そう言うと永倉は懐に大事にしまっていた簪のはいった桐の箱を千鶴に強引に手渡した。


あまりの勢いにしばらく面食らっていた千鶴だが、そっとその箱の蓋を開ける。


中には綺麗な桜があしらわれた簪が一本はいっていた。


「あっ、あの、永倉さん・・これ・・・。」


「ああ、えっとだな・・・つまり・・千鶴ちゃんへの贈り物だ・・。いつまでも男の格好してるわけじゃねぇしな、そのうち女にもどったときにでもつかってくれたらいいなぁなんて思っちまってよ。」


「でも、こんな高価なものを・・。」


永倉は千鶴と同じ目線になるように首を傾けて俯き加減になってる千鶴の顔を覗きこみながらいう。

「俺は、千鶴ちゃんにいつも元気もらってる。左之や平助だってそうだと思う。何かお礼してぇって思っただけなんだ。受取ってくれよ。」


永倉は優しく千鶴に微笑む。


千鶴は永倉のくれた簪を高く結い上げている髪に少しだけ挿してみた。


「おお、やっぱ似合うじゃねぇか。店主の言う通り黒髪に控えめにはえるな。」


永倉のうれしそうな顔をみて自然と千鶴の顔もほころぶ。


「そうやっていつも笑ってなよ、千鶴ちゃん。俺達だって君を悪いようにしたいなんて思ってねぇ。できる事なら何もなくこうやって日々を過ごさせてやりてぇって思ってるからよ。」


千鶴はその言葉にふふっと笑う。


「ん?俺、何かおかしい事いったか?」

「いえ、ただ、永倉さんがお兄ちゃんみたいだなっておもって。妹に言い聞かせるみたいに私に言ってくれるから。」


お兄ちゃん・・・その言葉に何気に心がちくりと痛む。


「永倉さん?」


「ああっ、兄貴みたいなもんだろう。千鶴ちゃんは俺の妹みたいなもんだ。何かあったらいつでも俺に言ってこいよ。俺が千鶴ちゃんいじめたやつらこてんぱんにのしてやるからよ。」


心は複雑だったが永倉はここ一番に元気にそう答える。


「永倉さん、これ、ありがとうございます。有難く頂きます。大事にしますね。」


千鶴が簪を桐の箱にしまい込み大事そうに胸に抱えてそう言って微笑む。


その姿に永倉は目を細めて優しく笑いながら千鶴の頭をポンポンと撫でる。


「んじゃ、俺はそろそろいくな。あと、このことは左之や平助や他の連中には内緒だからな。」


「はい、わかりました。本当にありがとうございました。」


千鶴は嬉しそうに微笑みながら永倉に深ぶかと頭をさげた。


「いいって、礼なんてよ。」


そういい残し千鶴の部屋を永倉はあとにした。


廊下を歩き自室へ戻る途中で原田と藤堂にまた声をかけられる。


「新八、なんだなんだその上機嫌な面は。何か良い事でもあったのかよ。」


「べっ、別になんでもねぇよ。」


原田はふ~~んというような疑いの目を永倉に向けるが永倉は視線をそらす。


「なぁ、左之さん、そんな事どうでもいいから行くんだろう?島原?」


「ん?ああ、そうだった。新八、飲みに出ようぜ。」


永倉はその言葉に頷き、三人で島原へいくことにした。


その後、原田と藤堂に秘密をばらした事はいうまでもない。

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こんな拙いものしか書けないわてくしwww

それでも、がむばる!

ちょびっとずつだけど、進めていってるんだぜ\(^^)/

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