こんなん書いてましてん『居場所』(薄桜鬼 藤堂 千鶴)
体はだるいのに寝付けなく千鶴は天井を眺めていた。
永倉が去ってどれくらい時間が過ぎただろう。
原田や永倉の優しさがとても嬉しかった。
"何の役にもたってないのにこんなに優しくされていいのかな…。"
「千鶴っ、そのっ、起きてるか?」
「平助くん?」
「あぁ、入ってもいいか?」
「うんっ。」
千鶴の返事を聞くと声の主八番組組長藤堂平助は部屋に入ってきた。
「千鶴、大丈夫なのか?総司がさぁ、俺が行くと千鶴の具合が余計悪くなるとか言ってなかなか様子みに行かせてくんなかったんだぜぇ。」
はいってくるなり沖田に対する不平を述べる。
千鶴はその様子にクスクスと笑う。
「笑い事じゃねぇって。俺、ほんとに心配でしょうがなかったんだぞ。」
「ごめんね、心配かけて。」
「いや、あのっ、な。皆、心配してんだぜ。俺だけじゃなくて左之さんも新八っつあんもさ。」
「うん、知ってる。巡察前に原田さん桶と手拭もってきてくれて、さっき永倉さんが水をもってきてくれたの。」
「ええぇぇっ!!新八っつあん、さっき会ったとき何にもいってなかったぜぇ!!」
「あれっ、そうなんだ。」
不味いことを言ってしまったのかと千鶴が口をつぐむ。
平助はそれがわかったのか二っと笑って言う。
「千鶴が気にする事ねぇって。まぁ、皆さ千鶴が元気になってくれるのまってるんだ。早く元気になれよ。」
「うん。ありがとう、平助くん。」
「あっ、そうだ。」
言って平助くん懐に入れていた白い包みをだした。
「これ、金平糖。少しでも何か口にいれたくなったら食ってくれよな。枕元に置いとくからさ。」
「うん。」
「じゃぁ、俺行くな。千鶴、俺さ・・・いや、何でもねぇや。早く熱下がるといいな。」
「うん。平助くん、本当にありがとう。」
「おう。また、明日な。」
「うん。」
平助は千鶴の額の手拭をとり水に浸してしぼりまた額にあてると立ち上がり名残惜しそうに部屋を出ていった。
”平助くんの言う通り早く良くならなきゃ”
千鶴はそう思いながら平助の去る足音を聞きながらいつの間にかうとうとと眠りにおちていった。
続く・・・・・。