【読むスノボー】滑走スピードが遅いあなたのためのワクシング
最近滑っていて滑走スピードが遅い。
技術不足なわけじゃなくてワックス塗ってないからであると思ってます。(多分)
今回はせっかくスノボをするならばちばちのマックススピードで滑りたい全スノーボーダーのために、ワクシングについて調べてまとめてみました。
1. ベースワックスとは?
1-1. なぜベースワックスが必要なのか
スノーボードのソール(滑走面)には、目に見えないほど細かな「無数の穴」が開いています。
穴があることで板がしなやかにたわみやすくなる
この穴にワックスを染み込ませると、汚れが入り込むのを防ぎ、滑走性を維持できる
もし新品や何もしていないソールをそのままゲレンデに持ち込むと、穴の中に汚れや水分が入り込み、ソールが酸化・劣化しやすくなってしまいます。そこでまず、ベースワックスをしっかり詰め込み、ソールを保護しておくのが重要なのです。
2. ベースワックス前の下準備
2-1. 新品ソールでもスクレーピング&ブラッシング
新品ボードは工場出荷時にザラつきや微小な汚れが残っていることが多い
軽くスクレーパーをかけて、不要な突起や微細な汚れを削ぎ取ります。
ブラッシング(スティールブラシやブロンズブラシなど)でケバ立ちを整え、ソールをなめらかにしましょう。
2-2. 作業環境(部屋の温度)
寒いガレージや屋外でワクシングをすると、せっかく溶かしたワックスが即座に固まってしまい、ソールへの浸透が不十分になります。
暖かい室内(目安として15〜20℃以上) での作業を推奨します。
3. ベースワックスの具体的な入れ方
3-1. 使用するワックスの種類
ベースづくり用(ソフトタイプ)
滑走性よりも「浸透」や「汚れ除去」を重視したタイプ。比較的柔らかいのでソールの穴に染み込みやすい。クリーニング用
「ホットスクレーピング」に適したワックス。汚れを巻き込みながら剥がす役割が強いもの。
3-2. 生塗り&アイロンがけ
生塗り
硬すぎないベースワックスは、アイロンを当てる前にソールへ直接塗り広げられます。
ワックスの節約にもなり、ムラなく全体に行きわたらせやすいメリットがあります。
アイロンで溶かす
最初は軽く全体を素早くならし、ソール表面にワックスの膜をつくる。
その後、ゆっくりとアイロンを動かしてソール自体を温めていく。
3-3. アイロンがけのポイント
温度の目安:ワックスの推奨温度(例:70〜75℃)
速すぎるとワックスが染み込む前に固まるため、適度にゆっくり動かす。
同じ箇所に当て続けすぎるとソールを焦がす恐れがあるので、端から端まで少しずつズラしながらアイロンを当てましょう。
裏面がほんのり温かくなる程度 でOK。
3-4. しっかり冷ます
ホットワックス後は、室内で 2〜3時間以上 かけて自然に冷やす。
急激に冷やす(外の寒い場所に出すなど)と、ワックスがじゅうぶんにソールへ浸透しないまま固まるため逆効果です。
4. ベースワックスは何回繰り返す?
最低3回 が推奨。
1回目:ソールの穴にワックスを染み込ませる
2回目:さらに奥深く浸透&表面をなめらかに
3回目:完成度を高め、耐久性アップ時間と手間をかけられるなら、5回・10回など、繰り返すほどソールはより整い、滑走性も高まります。
5. ベースワックス後の仕上げ
5-1. スクレープ&ブラッシング
冷めたワックスをスクレーパーで剥がし、余分なワックスや粉を落とします。
ブラッシングで表面を磨き上げ、滑走面をツルツルに仕上げる。
5-2. 滑走用ワックスを入れる
ベースワックスはあくまで「保護&下地づくり」。
実際にゲレンデで滑る前には、気温や雪質に合わせた“滑走用ワックス”をアイロンがけし、スクレープ&ブラッシングで仕上げるのが基本です。
6. 自分でやるメリット
板の状態をこまめに把握できる
ダメージや汚れを早期発見でき、必要に応じたリペアが可能。愛着が湧いて上達意欲が高まる
自分でケアした分、板に愛着がわき、さらに滑りを楽しめるように。ショップに行く手間&費用を節約
初期投資は必要ですが、長期的に見ればコストを抑えられます。
7. ホットスクレーピング(Hot Scraping)とは?
7-1. なぜ必要?
滑走中についた汚れはソールの穴に入り込み、通常のブラッシングだけでは取り除けない場合があります。そこで ホットスクレーピング を行うと、まだ柔らかいワックスと一緒に汚れを剥がせるため、ソールをリフレッシュする効果が高まります。
7-2. 基本の手順
ベースづくりまたはクリーニング用のワックスを塗布し、ソール全体に薄く広げる。
ワックスがまだ温かい(柔らかい)うちにスクレーパーで剥がす。
ブラシで細部のカスを取り除く。
→ 1~2回繰り返すだけで、汚れがかなり落ち、ソールがクリアに。
8. ベースワックス後の保管も重要
8-1. オフシーズンの保管ワックス
シーズンオフは、ソールが空気や埃にさらされて酸化しやすい。
柔らかいワックスを厚めに塗った状態で剥がさず保管 すると、長期間ソールを保護できます。
次のシーズン前にスクレープ&ブラッシングで仕上げればOK。
8-2. 湿気&直射日光を避ける
湿度の高い場所はエッジがサビやすい。
直射日光や高温の車内に放置すると、ソールや接着剤の劣化につながります。
9. 滑走用ワックス(トップコート)の選び方
9-1. 気温・雪質に合わせた選び方
極寒期(氷点下マイナス10℃以下) → 硬めのワックス
春雪・シャバ雪 → 柔らかめ、または水分や汚れへの耐性が高いタイプ
人工雪・屋内ゲレンデ → 汚れに強い成分配合(グラファイト等)や、やや硬めが◎
9-2. フッ素ワックスと環境問題
フッ素配合のワックスは水を弾きやすく滑走性能が高い。
ただし環境規制の動きもあり、製品によっては注意・制限があるため、購入時に確認しましょう。
10. よくあるミス&注意点
温めた直後に立てかけて放置
ワックスが均等に浸透する前に固まるため、なるべくフラットに置いてゆっくり冷ましましょう。冷やして固めたベースワックスを剥がさずゲレンデへ
ベースワックスのまま滑ると板が走りにくいことも。必ず滑走用ワックスを施すのが定番です。寒い屋外で作業
ワックスがすぐ固まり、ソールが十分に温まらないため浸透率が低下します。アイロンの温度管理ミス
高すぎる → ソールを焦がす
低すぎる → ワックスが溶けきらずムラが残る
ワックスごとの推奨温度をチェックするのがポイント。
11. エッジ周りのケア
11-1. エッジのサビ取り
ワックス作業のタイミングでエッジの状態もチェック。
サビ取りゴムやペーパーで軽くサビを落とすと、サビの進行を防げます。
11-2. エッジを軽くオイル拭き
湿気が多い環境やオフシーズン保管時には、エッジに薄く防錆オイルを塗るとサビ防止になります。
12. まとめ
ベースワックスはソールの穴を保護し、板の性能を最大限に引き出す基礎作業
新品やメンテナンス不足の板は、最低3回はベースワックスを反復
しっかり温め&ゆっくり冷やすのが浸透アップのコツ
ホットスクレーピングで汚れを落とすとソールがリフレッシュ
オフシーズン保管時は、厚塗りワックスを剥がさずに板を守る
ワクシングは面倒に感じるかもしれませんが、慣れてくると「ソールの状態を自分で管理する楽しさ」がわかってきます。滑りの仕上がりも変わりますし、板への愛着もひとしお。ぜひこのガイドを参考に、より快適で安全なスノーボードライフを楽しんでください!