私の地元、北九州市が60年ぶりに人口が増える兆しが

友達のSNSにて衝撃的なニュースが目に止まりました。

私の地元北九州(正確には隣町)で転入超過というものです。
最近物騒なニュースがあったばかりで北九州のイメージは全国的に悪くなっている中ですが個人的に嬉しいニュースです。

しかしなぜ、このようなことになったのか。
大学で他県に住んでいる私自身の目線から考察したいと思います。

北九州市ってどんな街?

福岡県の北東部に位置する北九州市は、かつては「八幡製鉄所」を中心とした重工業の街として繁栄し、日本の近代化に大きく貢献してきました。現在の人口はおよそ92万人ほど。小倉駅に新幹線が通り、北九州空港や高速道路網も整備されているなど、交通アクセスに恵まれた拠点都市としての機能も担っています。

一方で、今も市内各所に残る「門司港レトロ地区」や、レトロ建築をリノベーションしたカフェなど、観光・文化の側面でも魅力がいっぱい。焼うどんの発祥地として知られ、最近ではアジアのグルメを取り入れた店舗が増えるなど“美味しい街”としての再評価も進んでいます。


八幡製鉄所の歴史と影響

北九州市の歴史を語るうえで欠かせないのが、明治時代末期に創業した八幡製鉄所(やはたせいてつしょ)です。日本の近代産業を支えた製鉄所として、軍需や鉄道などあらゆる分野で必要とされる鉄鋼を生産し、戦前・戦後の高度経済成長を牽引しました。

しかし一方で、大規模操業による公害問題も深刻化。北九州市はこの公害克服を契機に、環境技術やリサイクル事業を積極的に推進する都市へと変貌を遂げます。こうした歴史的背景が評価され、2015年には八幡製鉄所の一部が「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産にも登録されました。


60年ぶりの転入超過 ~いったい何が起きたのか?~

長らく人口流出のイメージが強かった北九州市が、近年「転入超過」、つまり“引っ越してくる人が出ていく人を上回る”状況となり話題を呼んでいます。統計上、約60年ぶりという大変珍しい事例であり、市内でも大きな驚きと喜びの声が広がっています。

実際に、どの世代や層が増えているのかを見ると、若手の社会人や子育てファミリー層が一定数増加しているとのデータも。地域によっては空き家のリノベーションが進み、都市型のシェアハウスやスタートアップ向けのオフィスが増えていることも、新しい移住トレンドを後押ししているようです。


転入超過を生んだ4つの要因

  1. 環境技術・エコタウン事業の進展
    公害対策を乗り越えて、いまや環境先進都市として評価されている北九州市。エコタウンでのリサイクル関連企業の集積や、SDGsに関連した取り組みが相次ぎ、若いエンジニアや研究者が注目する街へと変わりつつあります。

  2. 移住・子育て支援の充実
    家賃やリノベ費用の補助制度、保育料の軽減や医療費助成など、子育て世代に嬉しい支援策が導入されています。生活コストが比較的安いこともあり、ファミリー層にとって住みやすい環境が整いつつある点は大きな魅力です。

  3. 交通アクセスの良さ
    小倉駅は九州の玄関口と呼ばれ、新幹線で博多・東京方面へもアクセス可能。さらに北九州空港からのフライトもあるため、都市圏との往来を考慮しても利便性が高いことが、移住の決め手になるケースが少なくありません。

  4. コミュニティ・まちづくりの魅力
    門司港レトロ地区や小倉の中心街には、空き店舗をリノベーションしたアートスペースやカフェ、シェアオフィスなどが増加中。地域の人々も新参者を温かく迎える雰囲気があり、「実際に暮らしてみると想像以上に居心地がいい」という移住者の声が多く聞かれます。


まとめ

北九州市で60年ぶりに転入者数が増えたという事実は、過去の重工業都市というイメージから一歩ずつ脱却し、「環境先進都市」「暮らしやすい街」としてのブランド力が高まってきた現れといえるでしょう。
公害を克服した歴史と、“レトロ”と“モダン”が混在する独特の文化。そこに行政や地域が一体となったさまざまな支援策が加わって、人々を引き寄せ始めた北九州市。今後も新たな移住者や挑戦を受け入れ続けることで、さらなる発展が期待されています。

「北九州って実はいいかも?」と感じる人が増えれば、この動きはますます加速していくかもしれません。ぜひ機会があれば現地を訪れ、町並みや人々の雰囲気を肌で感じてみてはいかがでしょうか。



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