エッセイ|ほくろ除去の話|#青ブラ文学部
これまで痛かったことたくさんありますが、痛みに対してはほとんど泣かずに過ごしてきました。でも思い出したのです。
昔、私には『鼻◯そ』と悪口を言われるほくろがありました。鼻の穴の際にそれはあり、まるで鼻◯そなのです。これがコンプレックスで、社会人になってから病院を探しました。もちろん鼻◯そほくろ除去の為です。
最初に行った病院では……
「保険適用外だから5万円だね~」
昔の5万円ですからすんごく高くて一旦は諦めましたが、次の病院では保険適用でやっていただけるとのことで、ほくろのレーザー除去を即決しました。治療費は1万円でした。
病名『顔面腫瘍』
麻酔を打って、レーザーで焼く……ただそれだけでした。
なんて簡単に取れるんだろうと、これまでの鬱々とした気持ちは晴れやかになりました。
ただ、一ヶ月は丸焦げで真っ黒なかさぶたが取れるまで、本来の皮膚の状況はわかりません。
約一ヶ月が過ぎ、かさぶたが取れましたが……
ん? 黒いのが残ってる……
病院で再度、焼いていただけることになりました。
「せっかくだから綺麗に取りたいよね!」
先生も私の気持ちをわかってくださって、お代は診察料のみで、また麻酔を打ち、レーザーで焼きました。
また一ヶ月は丸焦げで真っ黒なかさぶたが取れるまで、本来の皮膚の状況はわかりません。
約一ヶ月が過ぎ、二度目のかさぶたが取れましたが……
ん? まだ黒いのがほんのちょっと残ってる……
妥協はできませんでした。
また病院へ行き、ほくろが残っていると言うと、三度目のレーザー治療を行うことになったのです。
「実はレーザーは水性と相性悪いんだ。だから麻酔すると上手に焼けないことがあるんだ。確実に焼くのに今回は麻酔しないでやろうか」
「え?痛くないですか?」
「平気平気!自分なら麻酔なしでやっちゃうよ!これくらいなら、ちょん!って一回だしね!」
「じゃ~麻酔なしでお願いします」
怖い…… レーザーの先が近づく……
じゅぅーーーーーーー!!
い、痛いっ!!!
頭蓋骨に響きました。
一瞬で涙がぼろぼろでました。
じゅぅーーーーーーー!!
いぃ~痛いっ!!!
じゅぅーーーーーーー!!
いぃぃ~~痛いっ!!!
頭蓋骨は破壊寸前、涙腺は完全崩壊し涙が止まりませんでした。
「先生!嘘つき!三回も!!」
「念の為ね!これできっと大丈夫!」
これが忘れられない今までで一番痛かった思い出です。
山根あきらさん
よろしくお願いします😊