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msy03
片付くなんてものないに等しい | #青ブラ文学部
世の中に片付くなんてものはほとんどありゃしない。仕事は毎日、毎月繰り返される。今日だって、やっとここまで片付いた!と一瞬安堵したのも間違いだった。コレお願いします。って次の仕事が積まれ、はぁとため息がこぼれる。
夕方になれば、夕飯を何にするか頭の大半が占め始めて、仕事をこなしながら冷蔵庫の中に何が残っていたかを思い出している。家事が嫌いだから、当然、夕飯を作るのも好きではないが、誰かが作らないと家族の食事できなのだから仕方ない。作るのは私なのだ。長年なんとなく私の仕事なのだ。
◇
生きるって終わりがない。何かしらのトラブルはあるし、人との付き合いも途切れることがない。面倒で友人との繋がりはだいぶ断ち切ってきたが、それが正しい選択だったのかは今となってはわからない。少なくとも親族とは、そうそう縁が切れるものではないから、冠婚葬祭はいつまでもついてくる。片付くことなんてありゃしないのさ。
ポストに入ってくるたくさんのチラシに毎日うんざりしているソレも片付かないことのひとつで、資源ごみ用の紙袋にぶち込む。
私が今、片付けなければならないものはなんだろうと常に考える。どんなに部屋を綺麗にしても、人間関係を落ち着かせたとしても、必ず片付かないことがあるだろう。これは一生続く。
世の中、片付くなんてことはないに等しいことなのだ。でも私は生きているから片付けようとするだろう。永遠に終わりがない片付けを……
青ブラ文学部の企画に参加します。
山根あきらさん
よろしくお願いします。