優先席の微世界先生｜#毎週ショートショートnote

たらはかにさんの企画に参加します。
『優先席の微世界先生』
どうぞよろしくお願いします。

8号車に辿り着いた。
3号車からの移動に1週間かかった。

連結部分を渡るのは命懸けだ。
命を落とす者は少なくない。

私たちのことは人間に知られていない。

任務は電車の優先席に座る人間たちの健康を守る為に、まだ人間が発見していない私たちのエッセンスをちょっとお尻につけてあげること。

人間達は優先席に座ることで健康を取り戻している。

先生はご立派な方で、何十年も前から研究を行っていてる。この電車の優先席は先生の弟子たちでいっぱいだ。

｢先生、世間ではコロナウィルスが蔓延しています」

｢大丈夫だ。そんなウィルスには殺されやしない」

◈

｢先生！6号車優先席でコロナウィルスに感染した人間がいます！｣

｢いつも通りやれ！1週間もすれば治る」

◈

「先生！駅員が全車両のアルコール消毒を行うとの情報です！」

「アルコールはまずいぞ！」

◈

私達は先生の指示に従い、車両の天井へ移動した。アルコール蒸発を待っている間、耐えられずに半数の者が落ちて死んだ。

(了)

【410文字】

※※※
ピクミンを思い浮かべて書いたので、かわいいピクミンの画像を使用させていただきましたが、本作とピクミンの関連は全くございません。