新しい|#シロクマ文芸部
新しいアイブロウペンシルを400円で買った。
年末にようやくだ。
私が使うのは昔から鉛筆タイプのもので、そのアイブロウペンシルはアイライナーとしても使う。
この何ヶ月か、小さく15mmほどになったものを使っていて、それは意味の無い自分自身の意地で、鉛筆削りにも入らないのでカッターで削り、その手間の割には芯は上手に尖らず、それでも使っていたのだが、さすがに限界だった。
眉もアイラインもぜんぜん描けない!!
その間、家族に
「いい加減に買いなよ」
「お金ないの?買ってあげようか?」
と笑われていた。
顔に上手に描けないものは、もう新しくするべきだ。年末に洗剤や食材を買うついでに、ようやくアイブロウペンシルを購入したのだ。
新しく購入したものは、帰宅するとワクワクした気持ちで開封する。それは食品や洗剤では起こらない気持ちだ。
安い400円アイブロウペンシルは高級化粧品のような箱には入っていない。パッケージはビニール袋だ。それでもそれをペリペリと開ける時にはとても幸せな気持ちになる。
新しい!!
手の甲に少し描いてみる。
ニヤニヤしながら化粧ポーチに入れた。
年が明け、初詣へ行く日にそのアイブロウペンシルを初めて使った。
描ける!!
描きやすい!!
その顔で
「素敵な文章が書けますように」
と、神様に無理なお願いをした。
「新しい」ではじまるエッセイを書きました。
シロクマ文芸部 さんの企画に参加しました。