終わってしまったと思うならここにいない
4月4日の夜から先のことをあまり覚えていない。
不思議とほとんど泣かず、でも寝る気にもならずにフォロワーとダラダラと通話をして朝方に眠った。
とても大切で、これから沢山の景色を見せてくれると思っていたゲーム、アイドルマスターSideM GROWING STARSのサービス終了が発表された日の話だ。
SideMのことを考えないようにする日々が始まったものの、いつまでもそうしてはいられなかった。なぜなら5月3日に開催されるミラフェス(SideMの同人イベント)で頒布する予定の新刊が届いていたからだ。参加しないという選択肢は不思議と思い浮かばなかった。心のどこかでずっと、『こんなことでSideMを大好きでいることを辞めたくない』と思っていた。しがみつくような気持ちだった。
皆同じ気持ちだったのか、ミラフェス当日のSideMの島を見渡しても空席はそう目立たなかったように思う。なんだかんだで頒布を行い、売り子にスペースを任せて他のジャンルの見物に向かった時のことだった。聞き慣れた、でも最近は聞いていなかった、『Take a StuMp!』のイントロが聞こえた。
逃げた。SideMの島から離れたいと思った。皆がどんな思いでこの曲を聞くか、想像できるし共感できるからこそ逃げたかった。すごい人混みの中を西へ西へと歩いていった。欲しいものなど何も無かった。この時の惨めさが拭えず、多少事態が好転した後も私は自ら『Take a StuMp!』を聞くことは無かった。7thライブで初披露された時はあれほど好きだと思った曲だったのに。
7月には担当ユニットDRAMATIC STARSとS.E.Mの3Dライブ(F@NTASTIC COMBINATION LIVE 通称ファンコン)にてSideMの初現地を迎えた。意味がわからないくらい楽しかった。合同曲Dramatic Anthemの歌詞『楽しもうぜ』に全身全霊でコールを返した。DRAMATIC STARSとS.E.Mという、SideMの中でも"理由"を体現しているユニットがこの状況下でファンコンという新しい試みに先陣を切ってくれたことを頼もしく思った。担当びいきは大いにある。再来週に再公演されます。配信もありますので何卒よろしく(宣伝は基本)。
また時は流れ、8thライブを迎えた。両日通し券を握りしめ、憧れだった地雷ファッションで横浜Kアリーナへ向かった。Level5(3階席)に入場し、ペンライトの準備などをしていた時、またあのイントロが聞こえた。Take a StuMp!だ。
『ユニットカラー切り替える練習しとこ』と思いペンライトをカチカチやりながら聞いていた。
不意に嗚咽が込み上げてきた。マスクの下で唇を噛みながら泣いた。
『終わってしまったと思うならここにいないだろ』
なんて残酷で、素晴らしい歌詞なんだろうと思う。残酷になってしまったのは現状のせいに他ならないが。とにかくいつだって、この曲を聞くのは『終わってしまったと思うならいない場所』だった。ミラフェスの時も今日も、ここにいる全員がSideMを好きでいることを辞めたくなくてその場所に来たのだ。
サビの『さあ、挑め!』を聞けば、横倒しになったM型のノーツを思い出した。あのゲームが大好きだった。アーカイブにも残っていない時間の話なので確かめようがないが、確かCメロで一段階音量が上がり、過呼吸になりかけるくらい泣いた。一周年記念のPV内のラスサビでは、サイスタ内に使用されていた315プロダクションの背景が映る。もう残っていない私の事務所を思い出しては、悔しくて寂しくて仕方なくて泣けた。泣き方がヤバかった上に連番がいなく一人だったので多分後ろの席の人に若干心配されていた。3月31日、4月4日に今後の展開についての放送を行う旨が発表された日に、試しにと着ていた『いつかSideMの現地が当たったら参戦服にする!』と決めて買った地雷服で、哀れなオタクが一人で号泣していた。ライブ始まってないのに。
ライブのアンコール後にTake a StuMp!が歌唱された時にはもう泣かなかった。これまでもこれからも大好きなDRAMATIC STARSに、明日は初めて周年ライブで歓声を浴びるC.FIRSTに、大好きな315プロダクションの全員に、名前を力いっぱい叫んだ。
というか、今回のライブでまともに泣いたのはこの時だけで、始まってしまえば
うわぁーーーーーー!!!!!!!楽しーーーーーーーーー!!!!!!!かっこいーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!座る暇ねえーーーーーーーーーーー!!!!!!!えっもう終わりーーーーー!?!!?最高ーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
だけだった。行く前からわかってたけどわかってた以上に楽しかった。絶対9thも行く。ファンコンライブも副業投げ打って行きたいけど担当に怒られるからやめとく。