海外の性教育:ドイツの理科の教科書をのぞいてみよう
note「統一教会と子宮頸がんワクチン」でも触れたとおり、日本の学校ではこれまで、性教育と言えるような性教育が行われてきませんでした。
わが国における本格的な性教育は、2002年に始まりましたが、2005年になると「過激な性教育、ジェンダーフリー教育実際調査プロジェクトチーム」が発足し、性教育を行った関係者が降格や異動になるなどすると、教育現場における性教育は委縮していきました。以降、現在でも「性教育は各ご家庭で」という状況が続いています。
では、海外における性教育はどうなっているのでしょうか。
性教育が子どもたちに悪い影響を与えることは本当にないのでしょうか。
家庭での対応は?
この記事では、ドイツの性教育の論点をまとめるとともに、ドイツの学校で実際に使われている教科書をいっしょに見ながら、日本の性教育についても考えます。
早い所では幼稚園から!ドイツの性教育事情
ドイツでも「親の権利」とされ、家庭任せになっていた性教育は、2002年、「公的な責務」としてすべての教育現場に義務づけられることになりました。
ドイツの性教育は、ベルリンなど早い州ではキンダー(保育園・幼稚園)から、平均的には小学校3年生か4年生くらいから始まり、日本の高校卒業にあたる年代まで続けられます。
ドイツにおける性教育も他の欧米諸国同様、1960年代から70年代にかけての避妊用ピルの導入や妊娠中絶権などを求めるウーマンリブ運動の高まりとともに始まりました。そのため、性教育と言えば「セックスと避妊の話」というイメージで、ドイツでも、長らく「性的乱れを助長する」といった議論と表裏一体でした。
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