『原子力科学者会報』が掲載した「新型コロナ武漢ウイルス研究所漏出説」記事【抄訳編】
いま「原子力科学者会報(the Bulletin of the Atomic Scientists)」が掲載した、英国人ジャーナリストのニコラス・ウェイド氏の長文記事「新型コロナウイルスの起源:武漢でパンドラの箱を開けたのはヒトなのか自然なのか?(“The origin of COVID: Did people or nature open Pandora’s box at Wuhan?”)」が注目を集めています。
学術誌に科学者たちが発表したラボ漏洩説を否定する声明やレターをウイルスの遺伝子操作の技術的な問題にも立ち入りながら批判的に検討し、「新型コロナウイルスの起原は武漢ウイルス研究所(WIV)」であるということを強く示唆する内容です。
同記事は5月3日、ウェイド氏が自らブログサイト“Medium”に掲載したものを同誌が転載したようですが、まず「原子力科学者会報」とはどんなメディアなのでしょうか。学術団体の発行する専門誌のように見えますが、学術誌ではないことがウェブサイトに書いてあります。
次に、ウェイド氏のプロファイルには、「サイエンス誌、ネイチャー誌、ニューヨークタイムズ紙などのスタッフとして長年の執筆実績のある科学ジャーナリスト」との紹介があります。つまり、大きな影響力のある国際的な媒体に太いパイプと実績を持つ英語ネイティブの科学ジャーナリストですが、今回、彼の記事を主要メディアが掲載しなかったのはなぜなのでしょうか。
わたしのnoteではこれから2回に渡ってウェイド氏の記事の内容を検討したいと思います。
第1回目の今日はウェイド氏の記事の翻訳を掲載します。かなり長いですが記事としてとても魅力的で、飽きさせないと思います。次回は、彼の記事に対するわたしの評価を書きます。こちらも長文になりますが今回の記事とあわせて読んでいただくと、また先月公開した「WHOの専門家チームによるウイルスの起原の調査」に関する記事(3回完結)とあわせて読んでいただくと面白いと思います。
2021年5月5日
「新型コロナウイルスの起源:武漢でパンドラの箱を開けたのはヒトなのか自然なのか?(“The origin of COVID: Did people or nature open Pandora’s box at Wuhan?”)」@ the Bulletin of the Atomic Scientists
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