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ホスピスのくるま

病院以外の「自分で選んだ場所」で人生の最期を迎えるということについて、ドイツのホスピスについて書きました。

イースター(復活祭)までの1か月ほどのこの時期、ドイツの市場や花屋では「木の枝」が売られる。緑や赤をした小さなの芽を付けたツタ状の枝束からネコヤナギ状の枝までいろいろあるが、わたしはこれを買うのが好きだ。

写真のような「ショッキングピンク」としか表現しようのないネコヤナギがあったので、「これ自然の色でしょうか…?」と横にいる人におそるおそる聞いてみると、ちょっとびっくりしたように「そうよ本物。不思議でしょ。でも楽しいわよね!」と、マスクからのぞく目から推測するに満面の笑みで答えてくれた。

ロックダウンの段階的緩和の一環として、花屋さんと本屋さんが開いた。花屋さんでイースターのネコヤナギが買える――。こんな小さな喜びをかみしめながら、土曜日のあさ買い物に行ったら、途中で立派なアルトバウ(古い石造りの建物)のアパートの前に1台の紺色のハッチバックの車がとまっていた。

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