子宮頸がんワクチンを打った舞妓さんの一言
2020年5月、日本でも世界標準の子宮頸がんワクチン9価ワクチンが承認されることになりました。このワクチンを使えば日本で起きている子宮頸がんのほぼ全てを防ぐことができます。緊急事態宣言全面解除を機に京都の花街も「お遊びなし」を指針に再開というニュース。(2020年5月30日現在)若くして花街に出た、子宮頸がんワクチンを打った舞妓さんたちは今どうしているのでしょうか。こちらの記事に興味のある人には、記事「いわゆる「#MeToo」問題と「女性性」を売るということ。」もお勧めです。
京都で、はじめてお茶屋さんに行った。
男の人が行くところなのかと思ったら、女子会もするそうで、私も女性の産婦人科医の先生に連れて行っていただいた。
私のように勘違いしている人も多いと思うが、未成年が舞妓さん、成人したら芸妓さんではない。幼さが残って、舞妓さんの格好が似合っているうちは舞妓さんでいられるのだという。
ある日、『あんたはもうおぼこっぽさが無いから今日から芸妓や』と言われたら舞妓を卒業するシステムなのだそうだ。
しかしこれ、お姉さんがやるからオッケーだけど、男性がやったらセクハラになるんだろうな。
写真の水色の着物が18歳の小花さん、右の緑の着物が17歳の豆沙弥さん。年齢を聞いて驚いた。ふたりとも中学を卒業後すぐに親元を離れてお茶屋に住みこみを始め、お稽古を重ね、1年過ぎたくらいからお座敷に出始めた。ふたりに限らず、大体どの子も中学を終えるとすぐに出て来て修行を始めるという。
お給料は無い。でも、お座敷に舞妓や芸妓を派遣する置屋は、
「住むところから食事、お着物、お化粧まですべて面倒を見てくれます」
と、淀みない舞妓アクセントで答えるので、これは私みたいなお座敷初心者によく聞かれる質問なのだろう。
化粧と着物で素顔を塗り固めた幼い彼女たちに、私がひとりの大人の女性として複雑な気持を抱かないわけではない。しかし、最近のセクハラのニュースといい、#MeTooのありかたといい、正面切って女性性を売ることを生業にする人たちとそうではない人たちの意識の差のようなものを感じた。
この舞妓さん方、ふたりとも子宮頸がんを打っている。「うちらの年代の舞妓はたぶん、みんな打ってると思います。ねぇ、そうですやろ」と小花さんが言うと、豆沙弥さんも「ええ、打ってます」と応じる。2人とも中学生の時、3回フルコースで接種しているそうだ。
子宮頸がんワクチン問題について書いた拙著『10万個の子宮』をあげると、小花さんは、「ほんなら、ワクチンは関係ないんですね。おおきに」とにっこり微笑み、「実は……」と続けた。
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