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新型コロナウイルスの起源、中国情報開示のカギ握る「ふたりの人物」

6月3日、米SNS大手Facebookは、陰謀論だとして削除するとしていた「新型コロナは人工的に作られたウイルス」と主張する投稿の削除をやめる方針を示しました。アメリカは一般メディアだけでなくソーシャルメディアも巻き込んだ総力戦で「研究所漏洩説」の可能性を世界にアピールしていますが、専門誌はニュース欄も含め冷静です。サイエンスは政治の道具になるのか。メディアはサイエンスと政治、どちらに振れるのか――。

●中国に埋もれた情報を公開できるのはこの2人

新型コロナウイルスの起源をめぐり、世界が中国に開示させたい情報はたくさんあります。

ウイルスのアーカイブや実験室への出入りのログ、実験記録など武漢ウイルス研究所にまつわるものばかりではなく、WHOの専門家チームがいったんは開示を拒否された、2019年秋頃の湖北省および近隣の省におけるインフルエンザ・かぜ・肺炎症状の患者たちの検体、中国が独自に調査を進めていた湖北海鮮市場およびその他の武漢の市場から採取した検体、野生動物の生産や流通に関わるデータなどです。

新型コロナウイルスの起源をめぐる調査がもし最初から海外の研究者と中国の研究者との共同研究の形で進められていれば、世界は今頃もう少し中国の保有する情報へのアクセスがあったはずです。

しかし、残念ながらこれらすべては中国政府の管轄の下、中国人研究者たちの手によって行われてきました。

ただし、中国人研究者と中国政府の科学に対する姿勢は分けて考える必要があり、中国の研究者たちが中国政府の許可なく論文発表すら行えない状態にあったことについては「WHOによるウイルスの起源の調査報告書【解説編】」で書いたとおりです。

そんな中、今後、世界が中国国内に埋もれている情報を新たに汲み上げていくのに際しカギを握っている2人の人物がいます。それは

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