暴走する反ワクチン運動
10月、南イタリアを旅行した。ワクチン接種の事実上の義務化が始まった頃のことで、義務化に反対するデモの映像がテレビで流れていた。
反ワクチン、反コロナデモならドイツでもフランスでも以前から起きている。イタリアのニュースを見て驚いたのは、体格のいい男性たちが警察ともみ合って何かの煙まで上がっており、デモというより暴動の雰囲気だったことだ。
イタリア政府は10月15日、「グリーンパス」と呼ばれる新型コロナワクチンの接種証明書を持たずに就労した人に対し最高で1500€の罰金や停職などを課す事実上のワクチン接種義務化を施行した。デモは首都ローマから全国に広がり、北部の港街トリエステでは、5000人以上の港湾労働者らが、港の一部を封鎖。北部トリノ近郊のフィアット製造工場付近などでも従業員らによるデモが起きたという。
反ワクチンがブルーカラー化した理由
日本で「反ワクチン」と言えば、エコやオーガニック好きで、科学やテクノロジー全般に否定的なホワイトカラーだ。筆者もエコやオーガニックは嫌いではないが、反ワクチンデモに参加したり、1日中SNSでワクチンへのヘイトをぶちまけたりしているカルト的運動家は大抵こうした人たちである。
ドイツでもフランスでもそうだった。ところが、イタリアの反新型コロナワクチンデモには、数多くのブルーカラーが参加していた。
なぜか。
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