いわゆる「#MeToo」問題と「女性性」を売ること。
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テレ朝の女性社員に対する財務省の福田次官のセクハラ問題について、「セクハラは言語道断だし高官として脇が甘すぎるが、何回も1対1で食事に行っておいきながらセクハラを訴える女性記者は一種のハニートラップに思える」という意見や、「テレ朝の上層部に訴えたが取り合ってもらえないので週刊新潮に持っていたという」話が出ている。
私は、いわゆる「#MeToo」問題についての発言を控えてきた。
しかし、今日は私がまだメディアの仕事を始める前の2014年頃、メディアと官僚が同席するある集まりに出席したときの衝撃について書きたいと思う。
ある日、学生時代の友人に誘われ、医療とメディアの関係者の会だという集まりに行くことになった。当時、沖縄の大学で客員研究員をしていた私は、週刊誌の編集者をしている友人に「沖縄の古代の音楽の話」で相談があるというミュージシャンを紹介され、その人の実家のお寿司屋さんで食事をしてから向かったので、指定されたカフェバーに到着したのは、夜の11時過ぎだったと思う。
そこには、厚労官僚、新聞記者、雑誌の編集者、フリーのライター、ウェブメディアを運営しているという人などがいた。医療とメディアの会だというのに、メディアに関係のない「ただの医者」は、その場で私だけだった。
席は、メディア関係者と官僚のぼんやりとした2つの輪に分かれており、会に誘ってくれた友人は、まず私を厚労官僚たちに紹介した。
名刺を渡すと、この人も医者らしく「医者なの?」と言われた。お酒が少し入っているせいか、頭のてっぺんから足の先まで舐めるように見られた。
「はい、そうです」と言って頭を下げ、その場をすぐ立ち去ろうとした。
ところが、これを見た別の官僚は「おい、びびってんじゃねぇよ!」と大声を上げた。周りの官僚も一緒になって大笑いした。
居心地が悪いなと思った私は、官僚のサークルを離れ、そのままメディア人のサークルの隅っこの、官僚のサークルとは一番遠いあたりに座った。
とはいえ、この時が「メディア人」と呼ばれる人たちとと接する初めての経験だった私にとって、こちらのサークルが格別に居心地がいいというわけでもない。
飲み物をすすりながらぽつぽつと会話を交わしていると、今度は、メディア人のサークルと官僚のサークルの交わるあたり、私とは少し離れた席で、中年の男性と話をしている若い女性を紹介された。
女性は某大手新聞の記者だった。
男性は官僚で、少なくとも私には魅力的とは思えないビジュアルをしていた。女性はジャケットに胸元の大きくあいたシャツを着て、官僚の名前らしきものの最後に「先生」を付けて呼び、親しげにしている。
こなれた感じの仕草で私の名刺を受取ると、「お医者さんなんですね」と興味なさそうに言って、またその官僚と話はじめた。
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