猫と猫①

ほしのディスコが猫を飼い始めた。ペルシャとマンチカンのMIX。真っ白もはもはの毛。マンチカンの性格か、人なつっこい感じ。昔、縁戚の米屋でシャムや雑種を飼っていて、その中でもシャムの白は気品高くツーンって顎を空に向けるコだったけど、白・ぶち・三毛・四毛・キジトラ・サバトラの中では白に憧れた。まったくかまわれなかったので、シャムに対しては下僕感しかない。短毛種よりも長毛種の方がかわいく見える。毛って大事…大事?

平成3年、まだつきあう前の元配偶者は「猫を飼いたい。できれば2匹飼いたい」と相談してきた。私の友人に相談すると、そのまた友人からもらってきたよーと明るく運んできてくれた。二毛と三毛モドキ。モドキというのは、色のある部分にうっすら縞が見えたから。それでも三毛は三毛。兄妹猫で、兄はお母さんと瓜二つだったのでコピー(複写機かよ)、妹はモモコと名付けられていた。元配偶者と2人で首を捻り、「兄がコピーならもう1匹はリコピー(RICOHのコピー機)だよなぁ」と、改名して「りこぴー」呼び名はりこ、とした。

顔はコピーの方がかわいく、さらに頭もよかったように見えたが、もらって数ヶ月で寿命が訪れた。元々気管支が弱かったらしい。りこは兄が亡くなったことをよくわかっていなかったようで、それでも1日はくっついて離れなかった。この頃つきあいを始めた私たちは、弔いのために川に流したが…なぜ元配偶者はそうしたのだろう。普通お墓にするかペット霊園にお願いするのじゃないのかしら。実家で飼っていた犬やインコはすべて庭に埋め土に還していたから、不思議だった。

残念なことに、この頃の画像はない。平成3年…30年前だね。

翌年、某所で花はないけど花見と称して寮生たちと焼肉をしていた。藤棚のそばで戯れる2匹の野良猫を発見。まだ幼いようで、警戒心なくただただ走り回っていた茶トラとサバトラ。焼き台を片付けているとキツネが現れた。キツネは雑食のため、いろいろな物を食らう。気づくと茶トラがいない。サバトラが困っている。キツネに食べられないようにと拾って帰ってきた。りこが1人で寂しいだろうからというのと、職場に営業に来ている勧誘員がかわいくない猫を押しつけようとしていたので断る理由になるからと。先輩猫がいる場合、先輩が「あらっこのコったらかわいいわ」と思わないと喧嘩ばかりなるらしいが、2匹が仲良くなるまでに時間はかからなかった。飼うことを決め、さぁ名前…りこをもらってきたときと同じくらいのサイズだったので、おそらく生後3ヶ月も経っていないコだったので親が首をかむように(某宅急便の画)持ち上げてみたら、生存本能が低いのか背筋がピンと伸びている。りこは背中を丸めていたのに。頭の良し悪しを判断する材料の一つなのだが、このサバトラは口まで開いている。ゴムパッキンのような黒い唇。唇ではないけれど、シベリアンハスキーを思い出させる。黒い口でかぶいているよう…これは歌舞伎役者そのもの。「かぶき」だな。かぶきと名付けよう。女の子だけど。

画像1

画素数低いガラケーで何とか撮っていた。

りこは頭のいいコだった。かぶきは人間が教えなくてもりこから習ってトイレを覚え、かぶきの毛繕いを無理矢理行い(頭を押さえつけて嘗めていた)、りこと呼べば鳴き、ごろんと言えばごろんと転がる。しかし荒いコで
首輪をつけたらがしがしと足でかきむしってしまい、首輪のとおりに首回りがハゲてしまった。不妊手術に連れて行ったら当時の医者の縫合がよくなくうっかり舐めてしまい化膿させ入院した。寒かったのか煮物を温めていたガス台に上り、毛が焦げても「んー」という顔をしていた。元配偶者の脱ぎ捨てたTシャツの脇部分を嘗めていた。ブラウン管のテレビからカーテンを登って欄間にたどり着いたものの、降りられずに鳴いた。またたび癖が悪く、舐めたらかぶきに喧嘩を売り、またはかぶきのしっぽを蛇と認識して捕まえようとした。

こんなに荒いのに、猫の病院ではまさに仔猫のような鳴き声で恐がっていた。エメラルドグリーンの眼で。かわいいったらありゃしない。三毛にしてはシュッとした顔だったと思う。

元配偶者の家に嫁いだのは、りこが飼われて2年、かぶきが飼われて1年後。餌やりもトイレの片付けもすべて私がやるようになっていた。先の猫医者の件以来、りこは抱かれるのを嫌がり、逆にかぶきは猫種の性格か人にぴっとりくっついて眠っていた。人じゃなくてもりこに寄りかかって寝る。こういうのはかわいい後輩猫なのだろう、先輩猫にとっては。

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