アクセシビリティの理解を深めるための体験型ワークショップに参加した感想

今回、「やさしい日本語 Advent Calendar 2024」に参加するためにnoteを始めてみました。
このアドベントカレンダーは毎年12月に社内で実施しているもので、「やさしい日本語」に関連する記事を各自で書いています。

今回は、先日社内で行われたアクセシビリティに関連した体験型ワークショップの感想を書きたいと思います。

1. ワークショップの概要

このワークショップでは、社員4名でチームを組み、聴覚や視覚に障害を持つ方の視点に立ちながら、以下のお題に挑戦しました。この体験を通じて、チームワークの向上とアクセシビリティへの理解を深めることが目的です。

お題の内容:

  1. 「ジェスチャーゲーム」

  2. 「絵しりとり」

  3. 「マウスやトラックパッドは不使用で、キーボード操作だけで採用サイトから応募する」

  4. 「スクリーンリーダーを使って特定の記事を探す」

2. 参加してみて感じたこと

「ジェスチャーゲーム」について

ジェスチャーゲームは言葉を使わずに動作や表情だけで相手にこちらの意図を伝えるゲームですが、今回の体験を通して、「言葉以外の伝達手段」の難しさを再認識しました。
言葉が使えない状況では、「どのようにすれば相手に正確に意図が伝わるか」を考えることが必要であり、相手の視点に立って表現を工夫することが求められます。これは聴覚障害者との円滑なコミュニケーションに繋がるだけでなく、すべての人が正しく情報を受け取り、利用できるアクセシブルな社会の実現にも繋がると考えます。

「絵しりとり」について

「絵しりとり」は、相手に自分の意図をいかに正確かつ分かりやすく伝えるかが問われるゲームです。
これは日常のコミュニケーションやウェブサイト制作においても重要なスキルだと思います。
普段から業務上においても直接的なコミュニケーションよりも文章でのやり取りが多いことから、相手の解釈によって誤解が生じたり、意図が正確に伝わらない場面に直面することがあります。
これはウェブコンテンツでも同様であり、例えばスクリーンリーダーを利用する視覚障害者に対して、画像に適切な代替テキストを設定しておかなければユーザーが正しい情報を得ることはできません。
このように、相手の立場や状況を理解し、こちらの意図を正確に伝わるように工夫することは、円滑なコミュニケーションの基本であり、すべてのユーザーが平等にアクセスできるアクセシブルなウェブサイトを作るためにも欠かせないものであると考えます。

「マウスやトラックパッドは不使用で、キーボード操作だけで採用サイトから応募する」

実際にキーボード操作だけで応募フォームに入力してみると、マウスやトラックパッドを使用する場合と比べて大幅に時間がかかり、ファイルを選択するだけでも苦労しました。
しかし、キーボード操作を余儀なくされているユーザーにとっては欠かせない手段であり、彼らが直面する課題を理解するきっかけとなりました。
この体験を通じて、彼らがウェブを利用する際のハードルをできる限り低くするための配慮やすべてのユーザーが快適にウェブを利用できる環境を作る重要性を再認識しました。

「スクリーンリーダーを使って特定の記事を探す」

スクリーンリーダーとは、視覚障害者のためにウェブページ上の情報を音声読み上げをするためのソフトウェアです。
今回は目隠しをしながらスクリーンリーダーを頼りに指示された特定の記事まで辿り着くことがゲームの条件でした。
普段パソコンで作業する時、自然にブラインドタッチを行なっていましたが、実際目隠しをするとキーボードの位置すら認識するのに時間がかかってしまいました。
スクリーンリーダーはウェブページ上のすべての情報を順番に読み上げるため、自分が探している情報に辿り着くまでに多くの時間を要します。
この体験を通じて、視覚障害者の方々が早く必要な情報に迅速かつ簡単にアクセスできるようなウェブサイト構成を意識することの重要性を改めて認識しました。すべてのユーザーにとって利用しやすいウェブサイトを構築するためには、こうした視点を日々の業務に取り入れていく必要があると考えています。

まとめ

今回のワークショップを通じて、ウェブサイト制作においても、障害の有無や母国語に関わらず、すべてのユーザーが簡単に利用できるように配慮することがバリアフリーな社会の実現には欠かせないことだと再認識しました。
また、やさしい日本語に変換するサービス「伝えるウェブ」はこれを体現しており、重要なサービスであることを改めて認識しました。
今後も「伝えるウェブ」のような社会に役立つサービスを自分なりに考えていきたいと思います。


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