対称のように見せた非対称の衿
メンズのオールインワン(繋ぎ)のパターンメイキング。身頃のフロントは比翼あき、パンツは普通にファスナーあき。(レディースのボディに着せています。)
ん?(゚∀゚)?これはどうしたらいいのだ? という問題にぶちあたりました。というのは、身頃は普通の比翼明きなら前端がCFではなく、持ち出しがある。でもパンツは前端がCFである。。中心が合わない。。渡されたデザイン画はその部分がごまかされていました(というか、全く意識なく書かれていた)。。。。^^;
すると参考にしたい製品があるということでそれを調べてみることに。あらゆるところを採寸してみると、、、
その製品は身頃の中心を左に1cずらしていました。
また、ウエストベルトの左前端がななめになって、身頃とパンツをつなげていました。
なので、その2点はそのまま参考にすることに。
(ウエストベルトの左前端がななめになって、身頃とパンツをつなげているは、↓下記ハンガーイラスト参照してください)
企画者の要望で、ウエストベルトの左前端の斜めをなるべくなだらかにしてほしいということで、左前のパンツの前端をCFから数ミリだし、わからない程度にパンツ本体も前端を少し斜めにし、CFでの重なりを深くすることにしました。(普通、右前(下前)のファスナー付けは5mm~1c程度ファスナーを奥に付けますが、左前をCFからほんの少しだすことで、それが一見かなり深くなったかのように見えます。)
身頃の前中心が左に1cずれていると、衿はどうすれば左右差なく見えるのか?と思ったところ、その製品は衿が左側は短く作られていました!
衿の左が短く作られていたというのは、NPからの衿つけとまりの長さが短いということです。衿幅は同じです。
目に付くところは衿つけとまり。なので、左右ぞれぞれの前端から衿つけとまりまでの距離を同じにするとに。それでも中心を左にずらしている分だけ、左はちいさくなってしまうので、それを補うために、左の前端(ラペル端)を1c幅を出すことにしました。
前端が折返って、ラペルとなる部分の左右差がないようにするには、、、、、
衿折れ線を左右違わせる必要がでてきました。
衿折れ線を左右違ったら、衿は違って見えないのでしょうか?
どれだけを許容とするかが、問題でした。
トワルで組んでの確認となりました。
結果は見出しの写真になります。
パターンはこのように↓左右が違っていることになりました。
結論
見出しのトワルの写真でみると、CFでクロスする位置でのラペル折れ線の幅が左右違っているのが大きいですね。ですが、それ以外は気にならない感じです。
案外、パターンの左右差は製品になってしまったら、わからないものかもしれませんね。普通、服を買って衿なんて採寸したりしないですし。
でもパタンナーがデザインを考える場合は、この様な形はあまり生まれないのではないかと思います。
私が企画したなら、絶対に衿は不対照にせず、きっと、ベルトで2cがっつり段差をつけるでしょう。
衿が不対照なのを、仕事柄的によく見たらわかってしまうからかもしれません。(はっきりわかるアシメントリーならまだしも、この微妙なパターン操作はごまかしのように感じてしまうからかな。几帳面なのかもしれません笑)
自分で考えない企画、デザインはいろんな事で勉強させられます。日々勉強です。
苦労しましたが、面白かったので書き留めておきたくなりました。
最後まで読んでくださりありがとうございます。