令和2年高齢化率28.4%の衝撃
こんにちは。りこ@産業医兼労働衛生コンサルタントです。
前回勤務間インターバル制度について書きました。今回はそもそも勤務間インターバル制度の普及が必要となった背景について、試験対策も含めて書いて行きたいと思います。
働き方改革の背景に生産年齢人口(15〜64歳)の減少があります。
内閣府 令和2年版高齢社会白書 の中の「高齢化の状況」から文章と図を引用して以下に掲載します。
第1節 高齢化の状況
○高齢化率は28.4%
我が国の総人口は、令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人。
65歳以上人口は、3,589万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.4%。令和47(2065)年には38.4%と推計。
この図からもわかるように、生産年齢人口(15〜64歳)は令和元年7507万人、総人口に占める割合は59.5%。ですが、令和47年には4529万人、総人口(8808万人)に占める割合は51.4%となると推計されています。総人口が激減しており、生産年齢人口も約3000万人も少なくなるという、恐ろしい推計。
だからこそ労働者を守り、働きやすい環境と高年齢になっても安心・安全に働ける環境が必要であり、働き方改革を推進する原動力となっていると考えられます。その中で、過労死をゼロにして、健康に長く働ける環境の整備のため様々な取り組みが行われています。
平成30年7月24日厚生労働省「過労死等の防止のための対策に関する大綱」から抜粋引用します。
数値目標
1 労働時間については、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とする(2020年まで)。
なお、特に長時間労働が懸念される週労働時間40時間以上の雇用者の労働時間の実情を踏まえつつ、この目標の達成に向けた取組を推進する。
2 勤務間インターバル制度について、労働者数30人以上の企業のうち、
(1)勤務間インターバル制度を知らなかった企業割合を20%未満とする(2020年まで)。
(2)勤務間インターバル制度(終業時刻から次の始業時刻までの間に一定時間以上の休息時間を設けることについて就業規則又は労使協定等で定めているものに限る。)を導入している企業割合を10%以上とする(2020年まで)。
3 年次有給休暇の取得率を70%以上とする(2020年まで)。
特に、年次有給休暇の取得日数が0日の者の解消に向けた取組を推進する。
4 メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とする(2022年まで)。
5 仕事上の不安、悩み又はストレスについて、職場に事業場外資源を含めた相談先がある労働者の割合を90%以上とする(2022年まで)。
6 ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60%以上とする(2022年まで)。
上記の数値目標を見ていただき、あれ?と思われた方は素晴らしい!
前回記載したように、勤務間インターバル制度導入は10%に達していません。もし私の投稿を見て興味を持っていただき、導入する企業が増えてくださると嬉しいです。
上記の数値目標以外にも新大綱のポイントは以下のとおりです。
「第4 国が取り組む重点対策」において、「労働行政機関等における対策」を新たに項立てし、関連法令等に基づき重点的に取り組む対策として
①長時間労働の削減に向けた取り組みの徹底
②過重労働による健康障害の防止対策
③メンタルヘルス対策・ハラスメント対策 などを明記した。
過労死等が多く発生している又は長時間労働者が多いとの指摘がある職種・業種○自動車運転従事者 ○教職員 ○IT産業 ○外食産業 ○医療
新たに追加
○建設業 ○メディア業界 ○宿泊業等
対象となる業種が増えていることや、ハラスメント対策が明記されたことは大きなポイントかと思われます。
上記内容は、労働衛生のしおり令和2年度 中央労働災害防止協会 の98〜99ページにも載っています。
次回は過重労働による健康障害について書いていこうと思います。
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