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【要点まとめ】『令和時代の子育て戦略』

子育てをするお父さん、お母さん
自分たちの「価値観」を子育ての中に落とし込めていませんか?
もしかしたら、その子育てが、今の時代の価値観とは合っていないのかもしれません。

教育に携わるわたしも、耳の痛いポイントがいくつか・・・。
これからの時代を生きる子どもたちに、自分の価値観だけで押し付けず、大人もアップデートしていけなければならいなと痛感しました。

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令和30年に必要なメンタルスキル

①自分に過剰にダメ出しをしない

評価地獄の中で、不必要に自己嫌悪にならず、自分を正しく自己評価するスキルが大切。比較地獄の中では、どうしても自分へのダメ出しが多くなる環境にあると考えられる。だめなものも全てOKと言う超楽観主義を目指すのではないが、過剰に自分にダメ出しをする自己評価の癖は、できるだけ身に付けない方が良い。
自信がないと自分を守るために恐怖、不安、悲しみ、怒りなどの感情が湧きやすい。自信がない人ほど人間関係トラブル→感情による疲労→うつ状態と言う流れに向かいやすくなる。

②リアルな人間の理解を深めていく

ネットでの付き合いが多くなる一方、「生身の人というものを知る」経験の“質と量”が減ってしまっている。
この先ますます世界は多様化し、国籍、性的アイデンティティー、宗教、政治、信条についても、様々な人たちがこれまで以上に身近に共存する。そんな世界では「人にはいろいろな面がある」「いろいろな考え方がある」と、価値観の幅がある方が、人に対する期待・警戒・怒りも少なくて済む。

子どもは、大人の反応を見ながら育っていく。親が他者に対してどのような反応・対応・評価をするのか注目している。

③新しい学習と問題解決スタイルを磨く

令和はとにかく時代の変化がすざましい。
これまでの学習手順や意思決定、企業運営等には「PDCAサイクル」と言う手法が適用されてきた。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)

このサイクルでは対応できなくなるというのがこれからの時代。
次々と新しいサービスや技術が生まれるので、既存知識の学習や情報収集、周到な準備が通用しない。

そんな時代をしぶとく生き残るための思考法の一例「OODAループ」。
観察(observe)→仮装構築(Orient)→意思決定(Decide)→実行(Act)

【観察(observe)】
まず自分で実態をよく観察する
【仮装構築(Orient)】
その実態の中に何らかの流れ、トレンド、ルールを見出し、仮説を立てる
【意思決定(Decide)】
その仮説の中で目的を達成するための方策を決定し
【実行(Act)】
実際に行動に移す
というサイクル。
過去のデータ等にとらわれずよく状況を観察し、そのトレンドを見抜くというところがポイント。


今の親が「しないほうがいいこと」・「やっておいた方がいいこと」

通常このようなテーマでは、人は「何をすればいいか」という足し算を求めてしまいますが、案外引き算の方が重要な場合も。
まず「これをしないように注意しよう」ということ。
親が無意識にしてしまっている行為を控えて、子どもにマイナスの負債を残さないようにする、それが一番重要。

  • ある教育にこだわらない

  • 強い信念を持たせない

  • こだわりの強い子育ては、自己肯定感の低い子を育てやすい

  • 特に我慢の協調は避ける

親がまずしない方がよいことは、「ある教育・しつけにこだわり、結果として子どもに強い信念を持たせる」こと。

これは、あくまで「程度」の問題。それぞれの家庭で教育方針はあっていいが、その一定の価値観に、“あまりにも強力に”親がこだわると、子どもの心に強い信念が刷り込まれてしまい、幸せの弊害となる可能性がある。
変化の激しいこれからの時代には、強すぎる価値観は子ども自身を苦しめ、また他者をも苦しめることになりかねない。

こだわりの強い子育ては、自己肯定感を低くしてしまうと言う危険性をはらんでいる

親のこだわりが強いと、どうしても厳し過ぎるしつけになっていき、普通に生活している中でダメ出しが多くなる。子どもの心には自己否定する回数が多くなってしまい、それによって自信が低下していくことも。

こだわりの中でも、今の親が最も注意しておかなければならないのが「我慢系」へのこだわり。私たちの時代には、美徳のようにも感じる我慢ですが、今の子どもたちにとってはマイナスになっていく。

我慢を教えられた子どもは、ある程度周囲とうまくやれる子に育ちますが、一方で感性が鈍くなっていく。
感性を潰すだけでなく、大人になってからのストレス対処能力も低下させる。中程度のストレスに対しては、我慢強い性格で乗り越えられるが、高度のストレスに対しては、わたしたちは「距離を取る」などの適切な対処を取らなければならない。「耐える」という対処ではなく「避ける」という対処法。
我慢を強く刷り込まれた子どもは、大人になって強いストレスから逃げ遅れる可能性が高い。

戦略子育ての足し算

①子どもの自己肯定感を育むポイント

  • 「上手な負け方」のスキルを教える
    これからは人間関係のトラブル、挫折体験が増え、「評価地獄」の時代に突入。そこでまず教えたいのが「上手な負け方」。
    失敗したり、嫌われたりしても必要以上に落ち込まない。
    そんな心の強さを底支えするのは「自己肯定感」。

    1つ目のコツ:結果の評価と自分の評価を分けること。
    2つ目のコツ:バランスよく評価すること。反省点だけが目につきやすいが、むしろ良かったところにしっかり目を向ける

  • 自分の感性を大切にさせる
    自分の「好き」と「嫌い」をどれだけ尊重できるか。未来はその感性が、成功を決める重要な要素になってくる。好きも嫌いも親はまず認めてあげること。
    その上で、現実の対処は別物。「今はその気持ち・したいことを受け入れてあげられないけど、その気持ちはわかるよ」と、気持ちだけは尊重する。

  • ディスられる勇気を鍛える(ネット系トラブルへの対処能力)
    新時代に「成功したい」と思ったら、時にネットの世界に打って出る強さも必要となりえるでしょう。ネットで話題にならない限り、なかなか成功しないご時世でもある。その上で、バーチャルの世界とどのように距離を取り、上手に付き合っていくのかということも、新時代を生き抜くための重要なポイントとなる。

    親はたかだかネットで悪口を言われたくらいのこと、と思わず、全力でサポートしてあげましょう。ネットのトラブルの挫折をしっかり乗り切る体験が、ネット前提の社会で幸せになるための勇気の基礎となる。

②リアルな人間の理解を深めるポイント

  • 人の多様性と複雑さを知る「人の心の12の特徴」
    1.人は一貫しないもの
    2.感情や欲求はなくせない
    3.人はそれぞれ、正義もそれぞれ
    4.人はなかなか変わらない、成長しない
    5.でも人は変われる
    6.人の言動、反応にはそれなりの理由がある
    7.人は物語を見つけ、安心したい
    8.人間関係のトラブルは当たり前
    9.人はエネルギーを使いたくないもの
    10.人は他人をコントロールしたがる
    11.特に日本人は自分を責めやすい
    12.人は過去と将来の不安にとらわれやすい

    大人になるときに、あまりにも人について理想的、聖人君子的なイメージを持っていると、怒りを感じやすくなったり、自己嫌悪に陥りやすくなる。12の特徴をきちんと理解しておけば、他人にも自分にも優しい大人になっていけるでしょう。

  • 「疲れ」とそのケアについて理解する
    エネルギーが低下する(疲れる)と能力が低下し、人格も変わっていく。
    一方、エネルギーの低下はなかなか実感しにくいものでもあり、対処が遅れがち。疲れについて親がもっとよく知り、それを子ども伝える。

    親は子ども機嫌が悪い時、気力がない時、勉強しない時など、性格や能力、我慢が足りないせいにしがちですが、「もしかしたら疲れているかも」という視点をぜひ持ちましょう。親が焦らずに「疲れているから、それをしっかり抜いてから活動すればいい」と子ども安心させてください。

    疲労上手にケアする一番のポイントは、睡眠をきちんと取ること、食事を大切にすること、そして静かな休養の時間を取ること
    幸せに生きるためには、大人は勿論子供も日々「疲労ケア」をするべき。

  • 「感情」とそのケアについて理解する
    疲労と深い関係を持つ「感情」についても理解しましょう。
    ポイントは、感情そのものを悪者にしないこと。一般的には、感情を抑え込もうとするが、「12の特徴」でもあるように、感情はもともと人の基本機能として存在するもので、なくせない。まずはすべての感情を認める(許す)ことが大事。

    次に、現実問題と感情の問題を分けて考えることが重要
    例えば、「いじめられた子どもに対し親と教師が対応し、いじめっ子と離した」これは現実の対応。「もう大丈夫、学校に行きなさい」は、感情の問題を無視することになる。怖いという感情を受け入れ、その怖さをどう緩めていくかを一緒に考えることが大事。それが感情のケア。

「感情のケアプログラム」内容を紹介した本

「人間関係の疲れを取る技術」(朝日新書)

「寛容力のコツ」(三笠書房)
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③コミュニュケーション能力を鍛える

これからの社会は、「自分とうまくやり、他人ともうまくやる」そんなコミュニケーション能力が学力よりも、むしろその子の人生を左右していくでしょう。
仕事ができるかできないかよりも、他人とうまくやれる人が重宝される。

ただし、このスキルや人間関係の塩梅は、いくら言葉で教えたところで身につかず、実際のコミュニケーションを続ける中で、傷を負いながら学んでいくしかありません。
親にできるのは、親もまた傷を負いながら、リアルなコミュニケーションを取り続けていき、それをその姿を子どもに見せること


新しい学習スタイルを身に付ける

①「正しいこと」依存の脱却を

令和の時代に幸せになるには、どのような思考を身につければいいのか?

とにかく変化が激しい時代。現状をしっかり見ると言う態度が一番重要になる。そして計画にエネルギーを注ぐのではなく、何らかのトレンドを「感じ」たらまず行動に移して、それが有益かどうか確かめる力、現場での試行錯誤が大切。

たくさん試し、手ごたえがあればそれを広げていくと言う流れが必要。目的意識+ OODAループと言う考え方が最強。しっかりと目標を意識すると◎

②情報と感情の関係を教える

受け取った情報をすぐに鵜呑みにせず、情報そのものについてよく考えを巡らせるクセをつけることが大切。
今でもフェイクニュースや捏造情報が出回っているが、これからの時代はもっといろんな情報が溢れるでしょう。親がいつも一歩引いたところから情報を受け取る姿を見せることが必要。

子どもが何か極端な意見を持っているようなら、それは不安のサイクルに陥っている可能性あり。不安をベースにした感情の色眼鏡が理論武装してしまった状態。その時にはあまりそのことには触れず、子どもの不安を緩めることから始めると良いでしょう。

できればそうなる前に、親がネットでの情報の受け取り方のお手本を示すこと。感情が情報に与える影響を自分でチェックする。感情が情報に与える影響を自分でしっかり認識し、ネットで検索した後は、生身の情報に触れる、違う人の意見を聞く、歴史を紐といてみる、などの修正作業を

やり方はその人次第。できるだけ中立の姿勢で現状観察できるように工夫し、その姿を子どもと共有しましょう。

③「始める」と「終わる」を軽やかにする

「自己肯定感」を育てるためには、とりあえず「始める・よかったら続ける・ダメだったら諦める」と軽やかにすることが必要。

新しいことがどんどん生まれる社会で、習い事も感情系の仕事も、やってみないとわからない。子どもにはいろいろ手を出させ、て合わなければ早々と諦めさせる、こうした経験を良しとして、幼い頃から積極的に積ませておくこと。それがまでにOODAループへの実践トレーニングとなる。

親は、見守って、子どもにどんどん新しい実験をさせていくのが◎

④戦略、子育てをするために緩めておきたい価値観・勘違い

無意識に感じてしまっていませんか?
まずは親が自分の価値観を見直し、手放せる感情は手放してしまった方が、子育てがしやすくなります◎

  • 子育ては誰でも自然に問題なくできると言う勘違い

  • 無意識に持っている我慢型のこだわり

  • 良い親でなければならないと言う勘違い

  • 可能性の芽を摘んではいけないの思い込み

  • 辛い思いをさせてはいけないと思い込み

  • 親は子どもを支配しなければならないの思い込み


子どもの悩みの支え方

悩んでいる子どもに接するときに陥りやすい勘違い

  • 「問題は迅速に解決しなければ」の勘違い

  • 「問題解決から逃げるようにさせてはいけない」の勘違い

    子どもの悩みの解決には、子どもの心に合ったスピードがあり、状況の変化がある。また、親が問題を解決しようとしすぎると、問題行動ばかりを子供に尋問し、気持ち等への配慮がなくなる。

子どもがピンチに遭遇した場合の基本の姿勢

  1. 最初に子どもの話を「聞く」

  2. 「行動」は子どもが決める。親はその手助けをする

  3. 一貫して伝えるべきメッセージは、「親はあなたの味方だよ」

この3つの基本姿勢は、小さな子どもの場合でも、思春期にある子どもでも、また成人した子どもでも変わらない。
ちなみに3つ目の「メッセージ」とは言葉そのものもありますが、親の態度や振る舞い、雰囲気などもひっくるめて伝える価値観のこと。

本書では、詳しい話の聞き方例文などを使って書いてあるので、ぜひ参考にしてください。

親が直ちに「行動」を起こすべきタイミングもある

  • 肉体的に傷つけられる、傷ついた、など命の危険がある

  • リストカット、頭を打ち付けるなど自傷行為がある

  • 「死にたい」気持ちが出ている

以上のことがあったら、子どもの心が消耗している。
速やかにメンタルヘルスの専門家に相談するなどして、子供の心と体を守る対策をとりましょう。

支援の場面で親が心得ておきたいこと

  • 親も心の整理を行っておく

  • 子どもの「疲労ケア」に最大限気を配る

  • 子どもは全部話すわけではない

  • 外部の力も「上手に」借りる

本書では「戦略子育て」を提唱してきました。このように、未来を読んだ子育ては、今不安を抱えている方ほど足がすくむような思いになるかもしれません。
でもどうか決して心配しないでください。本書の提案のようにできなくても全く問題ありません。ほんの少しだけ内容が頭の片隅に残っているだけでも、かなりの効果があると思います。一番重要なことは、親が「こだわりすぎない態度」でいることだけです。

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