【要点まとめ】『幼児期だからこそ始めたい 一生ものの音楽教育』
ピアノやバイオリン、グループの音楽教室など・・・
子どもの習い事として人気ですよね。
ただ、その習い事に何を求めているのか。
どんなゴールを目指しているのか。
習わせる前に、少し考えてみるのもいいかもしれません◎
この本の著者:笠森壮太さんは、「花まるメソッド・音の森」という音楽教室を主宰されています。
「花まる学習会」学習塾のメソッドを使った音楽教室。
学習塾のメソッドを使った音楽教室、なかなか興味がわきます。
ちなみに「花まる学習会」を立ち上げた高濱正伸さんの著書『算数脳』も、花まるメソッドについて書かれていました。
(要点まとめているので、ぜひ!)
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【1】幼児期から「音楽を学ぶ」ということ
①「質の良いストレス」が忍耐力と上達に結びつく
「できなくてイライラする」「難しいところを弾くのが面倒くさい」というネガティブな気持ちをメタ認知することが成長の機会につながる。
*その気持ちに正直になれたことはを認める
*「面倒くさくてイライラするところこそ練習したら伸びるチャンス」だと伝える曲を弾けるようになってからは、少ない回数でどれだけ負荷を与えられるかが勝負。
「今日はスタッカートを意識して弾く」
「今日は左手の伴奏だけ確認する」など
②毎日の練習が学習観を育む
「学習観」とは、学んでいるものへの気持ちや価値観のこと。
レッスンを始めてから3~4年で学習観が形成され始める。「ご飯を食べた日は練習する日」
熱が出てお粥だけ食べたなら、その分だけ練習する。
指の練習をする、CDを聴くだけでも◎何よりも「毎日練習する」ことが大切。
これを積み重ねていくと、その「サボらなかったこと」が自分自身の誇りになる。
③音楽で集中力を高める
集中力:能動的なもの/受動的なものという軸と、刺激が強いもの/弱いものという軸がある。
「受動的+刺激が強い集中力」の一例がゲーム。音楽は「能動的+刺激が弱い集中力」。
譜面を読む行為は子どもの集中力を伸ばす。
→よく見えるように楽譜を大きくすると◎音楽で身に付く力
①一点にフォーカスする集中力
……その瞬間に集中する力、没頭している状態。
②俯瞰した集中力
マルチタスクを求める力。フォーム・伴奏・全体を聴くなど、いろいろなところにアンテナを張る必要がある。「考え続けるという行為を持続できるか」という持続力にも関わってくる。
④「本物」が大切な理由
感性を磨くために「本物にたくさん触れる」ことが大切。
本物に属するもの=普遍的なもの。時代が流れても色褪せないもの。クラシックだけ聴かせればよいのか?
クラシックは「ご飯の音楽」=子どもに与えたい栄養満点のもの。
現代音楽「お菓子のご飯」=食べ過ぎは良くないが食べてはいけないものではない。禁止してしまうのも良くない。
現代の音楽は、アーティストの表現以上に商業的な側面が強くあり、マーケティング重視のマニュアルに沿った売るための音楽が量産されている。これだけ聴いていたら、子どもの感性は育たない。バランスが大切。
【2】子どもの特性に合わせた音楽教育とは
「花まる学習会」のメソッド
子どものの特性を「時間軸」で考える
おおよそ10歳までとそれ以降で、学習の仕方を変える思考のの壁を乗り越える「算数脳」
「見える力」「詰める力」「あそぶ力」の3つの力の大切さを打ち出し、それを鍛える教育をする親も学ぶ「講演会」「勉強会」
1日1ページの積み重ね
高学年になって伸び悩みに直面する子たちに共通するのが「家庭学習習慣のなさ」。生活の中に当たり前に学習を習慣づける。「遊び切る」実体験
大成した人物に共通するのは、実体験の豊富さ。
↓
この「花まるメソッド」が音楽教育にも有効
スモールステップでを見つけて褒める
音楽には明確なゴールがないため、教師・親がその時々のゴールや目標を決めて、その都度褒めることが大切。幼児期の練習は、合間に体を動かすミッションを
幼児は動きたいもの。ずっと座ってレッスンをするのは難しいので、集中が切れてきたと思ったら、気分転換をさせる。10歳以降の子どもに練習をさせる仕組み
だんだん親の介入を嫌がる時期になり、「練習した!」と言ってしていないことも。
↓
*練習をするのはリビングがおすすめ
*練習のノートや回数のチェックリストをつくる
*1週間の目標はスモールステップで細かく
「ここまではできるようにする」という設定をする
*親に口出しをされたくない時期だが、成長は認めてほしい時期
「ここだけは親がチェックする」というところをつくる
(例:正確なリズムで弾けているか、など)
【3】楽器・先生選びのコツ
①楽器を始めるのは、いつがいい?
いつ始めても大丈夫。ただし、伸びるための適齢期はある。
*吹奏楽は高学年に始めても十分に楽しめる
*弦楽器やピアノは、技術の上達を目指すなら早めから始めた方がいい小さい頃に、たくさん「良質な音楽に触れたかどうか」が将来的な伸びしろに影響楽器を始めるかどうかの選択の前にその子が「音楽が好き」という環境をつくっておくことが大切。
②習う楽器の決め方は?
子どもや親が「やりたい・やらせたい」と思った楽器の体験レッスンをすべて受けてみる
ピアノは比較的すぐ音楽の楽しさを感じることができるため、楽しさがやる気につながるタイプの子はピアノから始めるのが良い
将来的にアンサンブルやオーケストラを楽しむときには、持ち運びの便利な弦楽器が良い
座っていた方が落ち着く子は、ヴァイオリンよりもチェロ向き
きょうだい同士で同じ楽器を習う場合、比較しないように気を付ける
③楽器の選び方は?
弦楽器の場合
体の成長にともない、大人用のサイズになるまで3~4回サイズを買い替える必要がある。
大人のサイズにする頃に、音大に進学するかどうかなど、将来の道も見えてくるので、そこではじめて「一生ものになる楽器を選ぶ」選択肢も出てくる。
それまでは、特別高い楽器を買う必要はない。ピアノの場合
ピアノも進化しているため、「ピアノ自体を買い替える」という発想が主流になってきている。住環境によっても変わるため、いきなり高いグランドピアノである必要はない。
④家庭の「音楽との付き合い方」を考えよう
音楽教室や先生を選ぶ前に重要なのは、
「うちは親子でどのように音楽に関わっていこうか」という点楽器のレッスンは家庭でのサポートは必須
*厳しくても時間をかけて練習させたいのか
(その練習に親も付き合えるのか)
*人前にでる経験をさせるため発表会に力を入れている教室がいいのか
*親が忙しいので個人レッスンで丁寧に見てくれる教室がいいのか
など、家庭での音楽との付き合い方と併せて考える
⑤音楽や先生を選ぶ5つのポイント
学習観を大切にしているか
学習観=学びの対象にどのような気落ちで向かっているか
「音楽って楽しいな」という思い
これをつぶすような先生は良くない。
求めるレベルが高いことは悪いことではないが、スモールステップで子どもを褒められない先生では、子どもは一気にやる気がなくなってしまう。
レッスンの見学・体験の際に、先生の声掛けが子どものやる気に結びつくものか、小さな頑張りを褒めてくれているか、という視点で先生選びを。先生は演奏してくれているか
先生が演奏を聴かせてくれるか、さらに先生が定期的にステージに立っていればベスト。子どもの「音楽が好き」という気持ちを育てるために、先生の演奏を聴くのは、とても効果的。
肌で本物の音楽を感じることは、子どもの意欲・感性においても意味があること。憧れは一番のモチベーション
「先生はすごい」と思っているかどうかもポイント。
技術の差に圧倒され、敬意を払っている状態だからこそ、音楽に真摯に向き合うことができる。「提案型」の指導を受けられるかどうか
提案型の指導:
「こういう音を出してほしい」と伝えるときに、自分で何パターンか弾いて、「どっちの方がいい?」と子どもに尋ねる指導の仕方。
主体的にレッスンに参加するので、レッスン後の充実感も大きい。
✕指示型の指導:
「こうしなさい」と子どもに考える隙を与えない指導の仕方親を支えてくれているか
楽器の練習で負担がかかるのは、家で練習を見る親。この親へのフォローを親身になって考えてくれるかどうか。コミュニケーションが上手くとれるかどうか。
⑥どうやって練習させる?
無意識にに弾くのではなく感性で弾く
「無意識で弾く」=ただ考えていないまま練習を積み重ねて、それが演奏という形になっただけ。
「感性で弾くこと」の始まりは「考えて弾くこと」。
その曲の音がいったいどういう音であるかのイメージを持つことが大切。自分の弾きたい音のイメージをして(考えて)練習を重ね、やっとその子自身の音として昇華される。回数を目安に練習させない
ただ反復をしているだけでは感性で弾くことにはならない。
センスや感性は、意識的に積み重ねる中で初めて生まれるもの。
※下記①の場合は、反復練習が必要。練習には2種類
①曲を間違えずに弾けるようになるための練習
たくさんの反復が必要。できないところをくり返し練習する。
②弾けるようになってからの練習
回数でこなす練習はNG。質を求める練習を行う。
今日の練習の目的を設定すること。
(例:美しい音を出す、多くの音にビブラートをかける など)自分が自分が間違えた部分に気付かなければ直せない
まずは間違いに気づかせることが大事◎
①「まず、ここからここまで弾いてみよう」
②「もしつまずいたら、そこで一回止まってみよう」
③「自分でつまずいたことに気が付いたらすごいね」
④自分で間違いに気付いたら、「気づいたこと」をまず褒める
⑤それがリズムの間違いなのか、音の間違いなのか考えさせる
⑥ゲームのように進めていき、それをくり返す
⑦間違いが直り、次第にできるようになっていくすでに違和感抱いている場合は
*「『なんだか変だな』と思ったところを3回練習してみよう」
*ただし必ず「『正解を確認してから』3回練習してみよう」と声掛け
「譜面をしっかり見る」ということを意識させる。
自分で学習・練習できるような素地をつくる。
【4】家庭でできる音楽教育
ごほうびOK
叱って練習をさせるより、ごほうび目当てでもモチベーションを保てた方が良い。「発表会まで頑張ったら〇〇」という長期的な報酬より、1回1回インプットできるように報酬をあげる方が◎楽な方に特に逃げない
楽器をする上ではフォームが大切。「フォームのことはもういいや」となりがちな気持ちを「もう1回頑張ろう」と軌道修正していく自制心が必要。楽譜が読めると音楽の世界は格段に広がる
「譜面を読む力」=「読譜の力」「初見の力」練習することを生活の一部に
楽器の練習は幼児クラスの子でも、最低1日15分~30分は必要。
生活習慣の一部にするためには、朝ごはんの前や寝る前など、他の余地帝が入りにくい時間帯が良い。
✕ 1日のうち、どこでもいいから30分
〇 決められた時間から15分
*慣れてきたら、時間を少しずつ伸ばす
*少しでも決められた時間に練習できたら褒める「練習は当たり前のこと」という感覚を養う
毎日取り組むことで伸びる。練習をしていない間が24時間を超えると、途端にゼロの戻ってしまう。1日に長い練習はしなくてもいいが、固定した枠を必ず毎日確保する。回数を基準にした練習方法は要注意
注意:「弾けないところを10回弾いて」
「無意識に反復すること」と「考えて反復すること」とでは、出来上がった曲はまったく違う。
考えて練習をさせるには、子どもに対する質問を取り入れる「提案型」が有効。
*2パターンの音を聴かせてどちらがいいか意識して弾く
*動画を撮って見直し、自分で意識させる など子どもの自信は親の言葉で刻まれる
注意したい1点を言う前に、できている部分から褒める。
その上で「じゃあ、これもできるとかっこいいな」と伝える。叱るときは基準を持って「厳しく・短く・後を引かず」
最後はハッピーワードで締めくくる
音楽はただ続けていればいい習い事ではない
「忙しくて練習できなくても、休まずレッスンに通うことが大事」と続けることで、継続しているのに技術が伴わず、自信をなくしていくケースも。
受験期を除いて「1日30分でも練習を続ける」ことで、楽器の演奏を一生の楽しみにすることも可能。
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