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【徹底解説】ホスピスって何?医療制度にホスピスの区分は存在しない!?

このnoteはホスピス特化型メディアです。筆者自身のホスピス立ち上げの中で、実際の施設見学レビューやホスピス業界の動向や最新情報、著名人のインタビューなどを投稿しています。

本記事では、「そもそもホスピスって何?」「どんな人が暮らしているの?」などホスピスの基礎知識について網羅的に説明をしています。

目次
(1)「ホスピス」ってなに?
(2)「ホスピス」にはどんな人が入居するの?
(3)緩和ケア病棟とホスピスは何が違うの?
(4)有料老人ホームとホスピスは何が違うの?
(5)ホスピスの利用料金相場
(6)ホスピスの探し方

(1)「ホスピス」ってなに?

「ホスピス」とは終末期の患者やその家族の苦痛を和らげることを目的とした施設や概念のことを広く指す言葉です。

主に末期のがん患者や難病患者など、治療が困難になった方を対象に、身体の痛みや精神的な不安をやわらげる緩和ケアを提供します。
そのため、ホスピスでは"病気を治すため"の治療は受けることはできません。

「終のすみか」として残された最後の時間を「自分らしく生きる」ために心と体の苦痛を和らげ生活の質を向上させることを目的としています。

【ホスピスで実施してくれる基本的な措置】
基本的には

(1)痛みや苦痛を取り除く「身体的ケア」
(2)不安や孤独を和らげる「精神的ケア」
(3)経済的な悩みの解消を支援する「社会的ケア」

の3つを提供しています。

LIFULL介護「【はじめての方へ】ホスピスとは?特徴や費用、探し方まで」より

(1)痛みや苦痛を取り除く「身体的ケア」
痛みの緩和の方針については、担当医と十分話し合って処置の方針を決めます。
主な内容は次の通りです。

  • 痛みのコントロール

  • 呼吸困難時の酸素吸入

  • 食事や入浴、排泄などの介助

  • 苦痛症状を緩和するマッサージ

  • 十分な食事ができなくなった場合の点滴・胃ろう・腸ろうの管理

  • たんや唾液の吸引

(2)不安や孤独を和らげる「精神的ケア」
ホスピスでは時に「死」に直面する恐怖や、不安から、精神が不安定になる方も少なくないようです

そういった方に対して、
・看護師や介護士との日常的なコミュニケーションや家族の面会に自由度を持たせる
・季節ごとにイベントを開催するなど不安感や緊張を和らげる
・カウンセラーやソーシャルワーカーなどが患者や家族の話を聞く時間を設ける
などのメンタルケアにまつわるサービスを提供しています。

ただ、精神的ケアについては、施設によってかなりばらつきがあるため、実際に施設へ見学に行き細かに聞くことをお勧めします。

(3)経済的な悩みの解消を支援する「社会的ケア」
社会的ケアは主に医療ソーシャルワーカーによって次のようなケアが行われます。

  • 医療費や入院費の費用負担を減らす支援

  • 相続や遺言のサポート

  • 社会生活上必要な手続きの支援 (住所変更、介護度の区分変更申請など)

  • 適切な公的制度の紹介・情報提供 (生活保護など)

こちらも施設側から積極的な案内があるというよりも、ご家族が自発的に質問したり聞きに行くことで得られる情報と言えるでしょう。

(2)「ホスピス」にはどんな人が入居するの?

一般的なホスピスは、「余命6ヶ月以内」と診断された場合に入居することができます。

私も実際に見学に行った際に、「癌であっても、医師から末期診断されていないと受け入れは不可です」と言われたことがありました。

また、病に加えて「病気にともなう苦痛を和らげ、自分らしく終末期を過ごす」ためにホスピスへの入居を決められるパターンが多いです。

終末期患者が苦痛を和らげるために受ける治療「ホスピスケア」を受けられるのは、ホスピスの他にも緩和ケア病棟(病院)や訪問診療・訪問看護(自宅)があります。
しかし、厚生労働省によると、医療や介護が追い付かず、今後病院や自宅などで最期を迎えられない、いわゆる「看取り難民」が47万人発生すると言われています。

日本では約63%の人が「自宅で最期を迎えたい」と希望していますが、こうしたホスピスには、家族が在宅看取りに対して負担を感じている・もうこれ以上病院に入院できない、といった理由でホスピスへの入居を検討するケースが非常に多いのです。

ホスピスのニーズは今後もさらに拡大すると言えるでしょう。

(3)緩和ケア病棟とホスピスは何が違うの?

病院内の緩和ケア病棟と施設型のホスピスは、痛みを和らげるという点では共通していますが目的(特徴)に応じて特徴が違います。
下記に違いをまとめました。

「ReHOPE ホスピスとは」より

緩和ケア病棟は病気による痛みや苦痛を医療で緩和することが目的であることに対して、ホスピスは医療的なサポートに加えて、より「自分らしく生きる」生活を提供する施設であるため、入院の期間や家族との面会制限、外出制限などで違いがあります。

(4)有料老人ホームとホスピスは何が違うの?

ホスピスは介護施設の一つではありますが、介護施設の他の施設と比べると明確に違いがあります。比較されやすい代表例として下記では有料老人ホームとの比較をしています。

有料老人ホームとホスピスの違い

介護施設では基本的に生活支援を受ける認知症の方や寝たきりの方が多いのに対して、ホスピスでは末期癌や難病の方が入居されるので、受けられるケアに最も大きな違いがあります。

(5)ホスピスの利用料金相場

ホスピスの利用料金の内訳は下記のようになっています。

①初期費用              →施設により変動
②居住費(家賃、管理費)         →施設により変動
③医療保険(負担割合1〜3割負担)     →固定
④介護保険(要介護度1〜5により変動)   →固定
⑤生活費(食費やおむつ代など)      →施設により変動

大手3社の料金比較表(要介護3、医療保険1割の場合)

①②⑤は施設によって設定料金が変わってくるので、見学の際に見積もり表と、オプション料金など変動可能性を聞いておくことをお勧めします。

(6)ホスピス利用者の声

「つむぐの家」に入居出来て、最期を共に看取って頂き、娘である私たちは救われた気持ちでいっぱいです。
そして母をつむぐに来てやっと一人の人生ある人間としてみて頂けたと思います。サ高住にいた時は淋しい、淋しいと言っていたので最期を3人で看取れ母を独りで逝かせなくて本当に本当に良かった。「つむぐの家」の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

「つ・む・ぐの家 利用者の声」より

ALS(筋萎縮性側索硬化症)を抱える父が今、穏やかな環境で過ごせているのは、ReHOPEの皆さんのおかげです。話好きで少しわがままな父ですが、スタッフの皆さんがかけてくださる言葉や笑顔、動き一つひとつに父が癒やされ、救われていることが分かります。
療養中だった母が亡くなった時は、「どうしても妻の葬儀に出席したい」という父の希望を叶えてくださいました。母の葬儀に参加できたことで、父の中で何か整理ができたように思います。強そうに見えて実は気が弱い父が、明るさを忘れずにいられる環境を作ってくれる皆様に感謝しています。

「ReHOPE ホスピスとは?」より

入居者をとても良く看てくださっており、いつも病状や日常生活動作の変化に早く気付いて、その都度適切な対応をしていただきました。
家族にも、いつも気軽に声をかけていただき、父の日常の様子を話してくださったり、私が気付かない必要な物品や差し入れのアドバイスをいただけたので、父に不自由な思いをさせることなく、とても助かりました。

「ファミリーホスピス ご家族の声」より

(7)ホスピスの探し方

ホスピスの探し方は基本的に以下の通りです。

  1. かかりつけの医者から紹介を受ける

  2. かかりつけ病院のがん相談支援センターで相談

  3. 地域包括支援センターや医師会の在宅医療介護連携支援室で情報を入手

  4. ケアマネジャーに聞く

  5. 自分で検索をして探す

かかりつけ病院からの紹介は安心できるようにも思えますが、できればご自身でも探されて複数を見学し、実際に施設の雰囲気やサービス内容をヒアリングする中で、最もご入居者とご家族にあった施設を探されることをお勧めします。

見学の際には、施設の問い合わせフォーム欄に入れると1〜2日以内にはどこの施設も折り返しの電話をいただき、すぐに見学の予約を取ることができましたのでそこまで時間もかからなさそうです。

ホスピス選びに悩んでいる方は、こちらでも無料相談を受け付けています。
下記メールアドレス宛にお気軽にご相談ください。
→ info@nokos.co.jp

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