優しい男
私は今まで優男というものに全く興味が無かった。
優しさは女の仕事だろ。そう思って来た。
でも優しさも行きすぎると…
いつでも、本音を言ってくれてないのではないかという不安に駆られる。これは何ともエロい。
「どうしてもっと思ってることを言っててくれないの?」
いつも私は問う。
「言ってるよ…」いつも言う。
違う、違うの、そうじゃないのよ…
私は何事もはっきりさせてきた。はっきりしないのは嫌い。
だから彼のことも嫌い。愛を交わしたあとで…
いつも「嫌いです」と何度だって伝える。
「僕は大好き…」
そして、定期的に伝える。
「もうあなたとは会えません、さようなら…」
そうして幾度と月日は流れた。