おふくろの味
何代も続く家庭の味。
小さい頃から慣れ親しんだ味。
食べられなくなる日は突然やってきて。
何回も聞いたはずの作り方をメモにとっていなかったことを、私は悔やんでいます。
奇跡的に、というか、動物の感でしょうか。
私は母が最期に作ってくれたご飯の写真を撮っていました。亡くなる2ヶ月程前だったのですが、ふと、撮りたいなと思ったんですよね。何度見返しても、もう戻りはしない日常の、私には作れない味がそこには写っています。
今は上手く作れた料理のレシピはノートにまとめてたりします。別に特定の遺す相手はいないんですけどね。私と同じ思いはさせたくないな、という保険です。
願わくば、ヤマサの昆布つゆが永遠に存在しますように。私の味は大半がこれで成り立っているので。