見出し画像

オーマイヒロイン

【概要】学生ショートフィルムコンテストに応募した自主制作映画の脚本です。

➀一分間のショート映画であること。②「走る」という言葉をテーマに制作すること。

以上二点の条件が設けられたコンテストでした。私は出演以外の全てを担当しました。

一分間というとても短い中でのテーマの伝え方、ドラマチックさを描く難しさを感じた作品です。

ぜひ少し変わった運命の出会いを感じ取っていただけたら幸いです。

【人 物】                                紅竜(25)小説家
裸足の女性(19)柄物の服を着ている

草歌部(26)紅竜の担当編集
オーナー(35)お気に入りのカフェの店主

【本 編】
〇踏切前・外・夕
   紅竜が草歌部と電話をしながら歩
   いている。
草歌部「で、まだ書けてないんですか ?」
紅竜「うーん、なんかインパクトに欠けるっていうか……締切いつだっけ」
   紅竜がバッグから予定帳を取り出す。
草歌部「今月末ですよ」
   紅竜が予定帳を確認する。
   踏切の警告音が鳴る。
   紅竜が踏切を見る。
紅竜「あ、やべ」
   紅竜が予定帳をしまい、走り出そうとする。
   原稿を落とす。
紅竜「はぁ」
   紅竜が原稿を拾う。
   遮断機のバーが下りる。
   後ろから、柄物の服を着た裸足の女性が歩いてくる
   女性が紅竜の横を通る。
   女性が立ち止まる。
草歌部「全く、しっかりしてください」
   女性を見つめる紅竜。
草歌部「先生 ?聞いてます ?」
   電車が通過する。


〇カフェ・内・夕
   紅竜が勢いよくドアを開け、駆け込んでくる。
オーナー「いらっしゃいませ」
   紅竜が椅子に座り、原稿を書き始める。
   書いた原稿が床に落ちていく。
   ドアが開き、草歌部が入ってくる。
草歌部「先生、電話いきなり切るから……って何これ」
   草歌部が原稿を拾う。
草歌部「原稿は大切にってあれほど」
紅竜「そんなことはいい。それよりもさっきから止まらないんだ」
(E S)ペンの音
   紅竜が『彼女は靴を脱ぎ捨て、走り出す』と書き入れる。

                                                                                                                         END


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?