『一貫連携教育・立教学院 清里環境ボランティアキャンプ』18回目の開催!
8月22日(木)~24日(土)に2泊3日で、『一貫連携教育・立教学院 清里環境ボランティアキャンプ』を開催しました。
当日は立教小学校の児童、中高の生徒、大学生、教職員スタッフの総勢71名が参加。今年度も無事に活動することができました。
立教学院の「一貫連携教育」
「一貫連携教育」とは、同じ法人に属する諸学校が同じ教育目標を立て、連携・協働して進める教育活動です。
立教大学は、立教小学校、立教池袋中学校・高等学校、立教新座中学校・高等学校とともに、「立教学院」という学校法人に属していますが、教育目標のひとつである「共に生きる力を育てる」というテーマを具現化するものとして作られたのがこの「一貫連携教育・立教学院 清里環境ボランティアキャンプ」です。
立教学院を構成する学校の全ての児童・生徒・学生・教職員が参加し、同じ活動を行う貴重な取り組みで、立教大学の他にも一貫連携校はいろいろとありますが、所属する学校が合同でこのようなプログラムを行う例は全国的にも珍しいといわれています。
毎年、①自然から学び、自然と共に生きる方法を学ぶこと、②環境問題に関心を寄せ、その環境を守るために力を合わせること、③年齢や学校が違う参加者が共に参加して理解を深め合うことを目指しています。
「清里環境ボランティアキャンプ」
キャンプは、雄大な八ヶ岳連峰のふもとに広がる山梨県清里高原で行われます。日本のボランティア活動の礎を築いたといわれている元立教大学教授、ポール・ラッシュ博士の精神に学びながら、同博士が開設した山梨県清里の公益財団法人KEEP協会(Kyosato Educational Experiment Project)(以降キープ協会)の協力を得て、自然に触れることで環境への理解を深め、キープ協会周辺で様々な環境ボランティア活動に取り組みます。
年齢や学校をミックスした小・中・高校生と大学生で構成されるグループで活動し、豊かな自然の中で、自然環境の保全と働きを実際に体験しながら「共に生きる力を育てる」ことを学びます。キープ協会環境教育事業部のレンジャーによるご指導のもと、 環境保全ボランティア活動やフィールド散策、ナイトハイクやレクリエーションなど、非日常の体験を共有します。
大学生は、各学校から参加している教職員スタッフと協力しながら、各グループをまとめ、全体運営を行うキャンプリーダーとしての役割を担います。
※立教と清里、キープ協会との深いつながりについて
開催までの道のり
リーダーとして活動する大学生は、事前に4回の学生研修に参加します。
キャンプ参加者の半数は小学生。ちょっと目を離すと、集団から離れて行動してしまうこともあります。
初回の研修では、学校内での小学生の日常を立教小学校の米田先生からお話しいただき、キャンプリーダーとして心がけるべきこと等についてグループワークを通して学びました。
2回目の研修では、今回のキャンプのディレクターである中川チャプレン(ボランティアセンター長)から立教と清里、キープ協会とのつながりについて学び、実際にフィールドでの作業でお世話になるキープ協会レンジャーの関根さんからは、 環境保全ボランティア活動における大学生の役割について学びました。
その後の研修では、2泊3日のキャンプ中に大学生が中心となって行うアイスブレイクやレクリエーション、キャンプファイヤー、目標づくり&ふりかえり、高校生との交流会について、グループごとの役割に沿って、具体的に準備を進めました。
途中で、「小学生が楽しく参加できる内容か」「そのネタは小学生には通じないかも」「キャンプファイヤーを囲んで安全にレクをするには」等々、先生方からご指摘やアドバイスをいただき、その内容を踏まえ、何度も案を練り直していました。
やはり、ここは子どもが好きな参加メンバーの集まり!直前まで納得いくものに作り込んでいました。
また、「キャンプのしおり」も作成しました。グループごとの紹介や持ち物、行程表などのほかに、キャンプ中に行う礼拝のための礼拝式文や聖歌、8月の八ヶ岳の星座表など、記載しました。
キャンプでは
初日:8月22日(木)
初日は、聖アンデレ教会での開会礼拝のあと、大学生のキャンプリーダーを中心にレクリエーション活動を実施し親睦を深めました。
夕食後にはキャンプにおけるグループの目標、個人の目標・役割を整理し、模造紙1枚にまとめて発表しました。発表した模造紙は、メインホールに貼り出しました。
その後も、「ソレイユ」「What's up!?」「おまたせベイベー」「ふーあーU」の4グループが、事前に準備してきたプログラムを進めました。
2日目:8月23日(金)
キープ協会レンジャー(自然案内人)の指導の下で実施した 環境保全ボランティア活動(自然歩道「富士山とせせらぎの小径」の整備)では、泥まみれになりながら黙々と作業し、汗を流しました。
立教学院創立150周年記念イベントとして企画したキャンプファイヤーではマイム・マイムの曲にあわせ、皆で楽しく踊りました。
その後、高校生と大学生との交流会も行われ、異年齢間での楽しく有意義な交流機会となりました。
最終日:8月24日(土)
初日に立てた目標・役割に対するふりかえりでは、環境保全ボランティア活動を通してみつけた自分の役割や、達成できたことなどを付箋に書きだし、模造紙にまとめました。
昼食前には、グループ内で感想を共有したり最後の挨拶を交わしたりしており、大学生のキャンプリーダーとの別れに思わず涙ぐむ小学生や「大学生になったら今度は自分がキャンプリーダーになるぞ」と力強く宣言する中高生がいました。
環境保全ボランティア活動
キャンプ場近くには、時間と体力に合わせて選べる自然歩道(トレイル)が整備されていて、訪れた人たちが森林浴、自然観察、トレッキング、バードウォッチングなどを楽しめるようになっています。
今回の清里環境ボランティアキャンプでは、比較的平坦な森を歩きながら、自然観察を楽しむことができる自然歩道「富士山とせせらぎの小径」の整備をしました。
日頃あまり使い慣れていないスコップやシャベルを使ったり、手を使って川床の石を取り除く、鎌で草を刈る…といった作業です。
足元や周囲に気を付けながら石を川の脇に運び、流れの中心には石の段差で滝を作りました。
泥だらけになりながらの活動で最初は苦戦しましたが、作業中に近くを通った観光客から声をかけてもらった際には、「自分たちが整備している小径が、この場所を訪れるたくさんの人々のためになっているんだ」ということを実感できました。
〜参加者の声(一部)〜
(小学生)
虫がこわかったけれど、2日目のボランティアがとても楽しかった。レクリエーションのキャンプファイヤーが熱かった。みんなで協力して達成すると気持ちがよかった。
環境が自ら成り立っているのではなく、人の支えもあってきれいな自然を守ることができるという事を学んだ。
(中学生)
自分の努力が成果になったことへの達成感を感じられた。
何のために整備するのかを学べ、考えることができた。
自分たちが作業した場所が、観光客などに「気持ちがいいな」と思ってもらえると知り、感動した。
(高校生)
様々な人とのつながりの大切さを感じた。前回一緒だった小学生や大学生の先輩、またそれだけでなく、今回初めての人たち、色々な年齢の人たちが参加していて、とても仲良くなり、今後の将来にもとても良かったと思います。
小学生から大学生まで上下のつながりがすごく良いものだなと感じました。
協力することの重要さ、愛し合うように周りの人と仲良くするべきだと思った。作業は大変だったが皆で協力したらできることが感動的だった。
(大学生)
人と歴史が繋がる大事さを痛感した。清里という、立教と強いつながりを持つ歴史深い地で、立教学院で学ぶ者同士が繋がることが出来るこのキャンプは非常に貴重だと感じた。
清里の自然の中で、四六時中仲間や子供たちと活動をし続けるという環境に置かれたことで、自分が集団の中でリーダーとしてできること、できないことがはっきりしたと思う。また、他のリーダーの立ち振る舞いを見て、「自分にできることはあるだろうか」と役割を探したり、真似したりと自分の集団の中での在り方について深く考えされられた。
別の個性や境遇を持つ人たちが集まって一つの事をするという難しさを学んだ。サークルやバイトなどでも感じたことだったが、小学校から大学までが集まる機会はほぼありえない。そんな中、それらを取りまとめて仕切りながら目標達成に向かう舵を取らなければいけないという立場で、多くの試行錯誤や経験を身に付けることができた。
最後に
2024年度の清里環境ボランティアキャンプも無事に終えることができました。天気予報を見ながら柔軟にスケジュール調整をしてくださったキープ協会の方々、プログラムに関わっていただいた皆さまに心より感謝いたします。
今年は立教学院創立150周年で、学生たちはキャンプファイヤーの企画、蝋燭に火を灯し「150」の文字を作る演出、記念ロゴ入りオリジナルTシャツ作成と、手間を惜しまず準備してくれました。「参加者全員に楽しんでもらいたい」という気持ちが詰まった企画は、小中高校生にとってこの夏休み、大切な記憶に残るキャンプになったことと思います。
学生キャンプリーダーの中には、小学校の時から参加し続けている方もいて、小学校時代にお世話になった先生方と一緒に活動したことは、自身の成長を感じる機会となり、貴重な経験にもなったのではないかと思います。
聖アンデレ教会の開会礼拝から始まり、活動の節々に愛があふれたキャンプです。興味をもった方は、ぜひ来年度以降の参加をご検討ください!