GLPを受講して知ったチーム活動の魅力 【学生インタビュー:前半】
今回お話を聞いた人
飯田朱音さん
コミュニティ福祉学部・コミュニティ政策学科・3年
2024年度「GL101」SA
2022年度に「GL101」、2023年度に「GL201」を受講
宇佐見花恋さん
コミュニティ福祉学部・コミュニティ政策学科・2年
2024年度「GL101」SA
2023年度に「GL101」を受講。現在「GL201」を受講中
はじめに
立教GLPにおける入門科目である「GL101※」で、2024年度SA(スチューデント・アシスタント)として活躍してくれた飯田さんと宇佐見さん。今回はお二人にGLPで経験したチーム活動についてお話しをうかがいました!
※「GL101」とは
GLPの基幹科目。少人数のチームでプロジェクト課題に取り組むPBLの科目です。
↓ GL101の様子はこちらをご覧ください!
GLP受講のきっかけ
GLP事務局:お二人がGL101を受講したのはそれぞれ1年生のときなんですね。そのときGL101を受講しようと思った理由を教えてください。どういったことを期待していましたか?
飯田:私はもともと、あまり積極的に意見を言わないタイプだったので、もっと自分から発言・発信できるようになりたいと考えて、GL101を受講しました。あと、大学に入ったばかりだったので、授業を通して新しい友達をつくりたいなと思っていました。
宇佐見:中学時代に部活のキャプテンや学園祭の実行委員などのリーダーを務めたときに感じていたことが、受講のきっかけです。当時、自分にはない魅力を持った同級生がリーダーとして活躍する姿を見て、自分もリーダーを務めているけれど、うまくできていないんじゃないかと感じることがありました。モヤモヤした気持ちを抱えて大学に入学。そこでGLPのことを知り、飛び込みました。ここで再挑戦できるかもと思ったんです。
チーム活動の様子~モチベーションの変化~
ここからは本題の“チーム活動”についてお話をうかがっていきます。
チーム活動は楽しいことも多いけれど、大変なことや葛藤もあったのでは?飯田さん、宇佐見さんはGLPのチーム活動の中でどのような体験をしたのでしょうか?
GLP事務局:ここに紙とペンを用意しています。GL101受講時のチーム全体のモチベーションの変化を、思い出しながら曲線で描いてみてください。授業開始の4月から、終わりの7月で結構変化ってありましたか?
あ、飯田さんは昨年「GL201※」も受講されていたので、ぜひそちらも描いてほしいです!
※「GL201」とは
質問力を活かしたリーダーシップを開発する授業科目。GL101と同様、チームでプロジェクト課題に取り組みます。
↓ GL201についてはこちらをご覧ください!
GLP事務局:GL101のモチベーション曲線を二人で比べてみましょうか。お互いの描いたものを見てどうですか?だいぶ違うように見えますね!
宇佐見:私のチームはあまりモチベーションの上下がなかったですね。最初からみんなやる気がありました。お互いに言いたいことを言って進めてきたし、良い関係性を築けていると思っていましたね。
でも、8回目の授業の中間発表でちょっと下がりました。中間発表のときにクライアント企業の方から、チームメンバーの関係構築が十分かどうか指摘を受けたんです。そこからチームで話し合いをしました。なんでも話せる関係性になっていると思っていたけれど、意外とプランのことはちゃんと深掘りできていなかったかもしれない、と気がついて……。じゃあ、やるべきことをちゃんと考えよう!といったん話はついたのですが、やっぱりチームの雰囲気は少し落ち込んでしまいました。
GLP事務局:そんなことがあったんですね。グラフを見ると、そのあと落ち込みから回復していますが、どうやって回復することができたんですか?
宇佐見:なんというか、「やっぱりこのまま沈んでちゃダメでしょ!」という気持ちはチーム全員の中にあって、話し合いの後に気持ちを切り替えたんです。そこからはもう、たくさんミーティングを重ねて、予選直前までプランを練って。実は最終発表の前に大幅にプラン内容の変更をしたんですけど、そのことによってチームがギスギスするようなことはありませんでした。「やるなら今しかない!」という気持ちをみんなで共有できていたからだと思います。
私たちのチームは、最初の段階からわりと、みんな「オープンマインドでいこう!」という雰囲気で、そういうチームを作っていこうとしていました。だから、チームとして諦めることなく進んでいけたのかもしれません。
GLP事務局:最終発表の後、グラフの曲線が下がっているのはなぜですか?
宇佐見:私たちのチームは予選を突破できなかったんです。本選当日、出場できないことがわかって、そこで全員魂が抜けてしまいました……。あ、決してふてくされていたわけではないです!でも、本選後の授業のチーム活動の振り返りでも、やっぱり魂が抜けちゃったままで……。SAを経験した今は、「振り返りがとても大切!」ということがよくわかるのですが、受講生だった当時は、やり切った感が強すぎて。
もしかすると私以外のメンバーも同じだったかもしれませんが、プロジェクトに打ち込むようになってから、もともと改善したいと考えていた自分自身の課題やリーダーシップのことをあんまり考えられていなかったのかもしれないです。GL101では、初回授業で自分のリーダーシップ目標を立てるんですが、その目標に本気で取り組めていたか?と言われると、課題感をちょっと残したまま全14回の授業が終わってしまった感じがします。「こういうことができるようになりたかったのに、できていなかったかも」と後悔して……。
でも、チームの仲間とフィードバックを送り合ったときに、自分でも気づいていなかった私の強みを他のメンバーが伝えてくれて。私はもともとネガティブなタイプだったのですが、強みを伝えてくれたチームメンバーのおかげで、ポジティブでいられるようになったなと思います。
GLP事務局:宇佐見さんの話を聞いて、飯田さんはどう思いましたか?
飯田:「わかる~!」という感じです(笑)私のチームは、最初はモチベーションが高かったけれど、それが徐々に下がっていきました。
GLP事務局:あ、そうだったんですね!確かに線が右肩下がりになってる。
飯田:はい、正直に書きました(笑)そのときのチームメンバーは、私含め、体育会の部活やその他の活動をしていて、それが忙しくて時間をあまり割けないというメンバーが多かったんです。チームミーティングに全員が揃うというのもなかなか難しくて…。
チーム活動の始めの頃は、「みんな大変だと思うけど、なるべく時間をつくって頑張っていこう!分からない部分はLINEで共有しよう!」とは言っていたんですが、実際やってみると、ミーティングに参加している人としていない人との差が開いてしまいました。LINEだけでは伝えきれないことも多くて、授業でみんなが揃ったときに、授業外でやった話し合いの内容を共有していました。そのため、プラン作りもあんまり進まなくて……。このままで
大丈夫なのかな?とみんな思いながら、中間発表に突入してしまいました。
GLP事務局:メンバー5人のスケジュールを合わせるのと情報共有に苦戦されていたんですね。中間発表はどうでしたか?
飯田:中間発表では、プランの根本的な部分に関して指摘をたくさん受けました。チームとしては「そこから直していこう!」というきっかけにできればよかったのですが……。みんな授業以外の活動で忙しくなってきてしまい、ミーティングの時間もますます取れなくなっていきました。プランはどうにか本選に向けて形にしなければならなかったので、無理やりまとめて、そのまま本選の日を迎えてしまいました。
GLP事務局:結構ほろ苦い経験をされたんですね。
飯田:今思えば、初めのうちにお互いの状況をもっと正確に共有しておけばよかったなと思います。本当はそんなに時間を確保できない状況なのに、見栄を張ってしまったからか、「頑張れるよ!忙しいけどミーティング出れるよ!」と、みんなちょっと無理をして伝えてしまっていて。本当はそのことに気が付いた時点で、ちゃんと「じゃあこういう時間の使い方をしてみてはどう?」と話し合えばよかったんですが……。結局、立ち止まって話し合う時間も設けられず、チームのモチベーションが下がった状態のままで進んでしまった、というのが反省点です。
GLP事務局:今の飯田さんはとても冷静に振り返りができているなと感じます。そんな苦い経験のあと、GL201を受講していますよね。
飯田:GL101の受講から1年ブランクがありましたが、少し冷静に振り返れたこともあって、「GLP、もう一回やってみようかな」という気持ちになりました。チームはうまくいかなかったけれど、GL101自体は楽しかったんです。GL101最後の振り返りでは、現実と向き合いたくないという気持ちのまま終わってしまいました。今考えると、それはすごくもったいないことだったなと思います。振り返りはとても大事だったのに……。GL201でチーム活動がうまくいったのは、GL101での失敗を活かすことができたからだと思います。失敗したときこそ振り返りをしなければならないなと、身をもって学びました。それに、失敗したとしても、それが自分自身にとってはすごく学びがあるなと感じています。
GLP事務局:GL201のグラフを見ると、GL101との違いが大きいですね!
飯田:GL201では中間発表のあとチームのモチベーションが上がっていきました!
GLP事務局:GL201のチームメンバーは時間にゆとりがある人が多かったんでしょうか?
飯田:いえ、GL201のときも、忙しいメンバーが多くて、ミーティングの時間もあまり取れなかったのですが、みんな向上心が高かったです。さっきお話したように、GL101のときは、ミーティングの時間にみんなが揃わないことが続いたのですが、そういった状況でも固定にしていたミーティングの曜日を変えようとせず、みんなが出やすい日程に設定しなおそうとはならなかったんです。
一方GL201では、柔軟にミーティング予定を決めていました。例えば、1週間ごとに日程を決めるようにしたり、アルバイトのシフトはこの曜日以外に入れようと決めたり。そうすることで、全員ではなくても、大部分のメンバーがミーティングに揃うようになりました。そこがGL101とは違った点の1つです。
あとは、始めに自分たちの目標を明確にしたということも大きかったです。GL101のときは「本選行くぞ!」とは言っていたけれど、自分たちがどうしたいか明確になっておらず、徐々に表面上の目標になっていってしまいました。形だけの目標で、みんな本当はそれが目標じゃなかった感じがします。
でもGL201では「みんなで納得したプランを作ろう!」という目標をチームで共有していました。ミーティングのたびにその目標を共有しながら活動していたから、チームメンバーみんなの心がズレずに進んでいったんじゃないかなと思います。
GLP事務局:GL201のグラフを見ると、中間発表の後にちょっと下がっていますね。
飯田:なぜかというと、ちょうどこの時期みんなGLP以外の活動が忙しくなっていて、チームミーティングも夜遅い時間にしか集まれない状況だったんです。モチベーション自体は高くて、中間発表の準備に時間をかけたいという気持ちがみんな強かったのですが、遅い時間に話し合いをしても、頭が働かなくて……。このやり方だと生産性が低いとみんな感じていたので、いったん立ち止まって話し合いをしました。夜中にミーティングをしても効率が良くないし、時間がもったいないよねって。そこで、ミーティングは絶対この時間には終わらせて、遅くともこの時間までにはみんな寝よう、ということをしっかり決めました。すごく小さな当たり前のことかもしれませんが、そうすることで、時間のゴールが見え、限られた時間をどう使っていくかをみんなが考えるようになり、話し合いが活発になりました。それがすごく良かったなと思います。もし改善せずにそのまま進めていたら、あまり話し合いも深められず本選を迎えて、プランの質も下がっていたんじゃないかなと思います。
あと、GL201のチームでは、みんなで食事に行きました!プランの話だけでなく、プライベートの話をする時間を作ろう!ということで企画したんですが、食事会後のミーティングは、明らかにみんなが話しやすくなっているのを感じました。GL101でも、いったんプランの話し合いから離れて、まずは話しやすい環境を作ればよかったなと思います。
GLP事務局:GL201では、チームのモチベーションがちょっと下がったときに、みんなで話し合おうという動きになりましたが、GL101のときにはそういった展開は生まれなかったわけですね。GL201では、なにがその展開に繋がったんでしょうか?
飯田:GL101では、話し合いのときに「今、こういう発言をしてもいいのかな……?」という躊躇いがあって、発言しにくい環境になっていました。私もみんなもミーティングに毎回は参加できていなかったので、「私なんかが発言していいのかな……」という空気が全体的にあったと思います。そのため、ミーティングの進め方についてみんなで話し合おうという提案もしにくい状況だったのかもしれません。
でも、GL201ではお互いに話しやすい関係性ができていたので、「ミーティングの時間を変えようか」という提案もできました。プラン作り以前に、そういった信頼関係を構築できているかどうかが、GL101とGL201の大きな違いだったと思います。GL101でも、もっと本音を共有し合って、お互いの背景、いわゆる氷山の下にあるものを知ろうとすればよかったなと思います。ただ、GL101の経験も私にとっては大切で、そこでの経験があったからこそ、GL201ではうまく関係構築しようというマインドに繋がったと思います。
GLP事務局:なるほど、関係構築の大切さを身をもって感じられたんですね。宇佐見さんはいかがですか?工夫されていたことなどありますか?
宇佐見:私のチームでは、プラン以外のこともとことん話をするように心掛けていました!話し合いが行き詰ったときに、プライベートのことを話したり。そうしていくうちに、最初は話しづらそうにしていたメンバーがだんだん「今日はこんなことがあったよ」って話してくれるようになって。それがとても嬉しかったです!やっぱり、どうしてもビジネスっぽい関係だと発言しづらい雰囲気になってしまいますよね。忙しくて時間が確保できないときほどプランのことを考えたい気持ちは分かるけれど、そんな中でも、チームメンバーの関係構築を大切にしながら進めていくことは、とても大切だなと思いました。
ただ、反省点としては、メンバー同士で意見を深掘りする質問をもっとすれば良かったなと思っています。チームの関係性は良かったけれど、アイディアの深掘りが足りなかったなと。もしあの頃に戻ることができるなら、出てきた意見に対して、ポジティブなリアクションだけではなく「どういうところからそれを発見したの?」とか、相手の考えに対する質問もいろいろ投げかけてみたいです。もし、そういう質問の投げかけが効果的に働いていたら、アイディアをより深めることができて、もっと質の高いプランが作れたんじゃないかなと。
現在、GL201を受講しているので、関係構築を大切にして行動しつつ、プランのことも深く考えられるようになれたらなと思います!
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「GLPを受講して知ったチーム活動の魅力【学生インタビュー:後半】」に続きます。