見出し画像

短期連載~首都決戦!兵どもが夢の跡~衆議院選回顧録➀

 10月27日、第50回衆議院選が行われた。2022年参議院選、2023年北区議選、2024年衆議院補欠選、2024年都知事選と選挙に参加してきたが、いよいよ「政界の日本シリーズ」たる衆議院総選挙である。立憲民主党からすれば、春の補欠選挙において3選挙区を午後8時当確(「ゼロ打ち」)という戦績で取り切っただけに、今度こそは政権交代、そこまで行かなくとも与野党伯仲の政治状況を何としてでも作り出さねばならないという選挙であった。その中で、私も後悔のないよう、出来ることをやろうと思った次第である。私のいる東京12区(北区、板橋区の北部)は立憲民主党が候補を擁立しなかったため、今回は直接立憲の候補の名前を書くことがかなわない。しかし、その分、東京じゅうの選挙区で激戦を繰り広げている立憲民主党の候補のもとに応援に飛び回ることができる。この立場を活かし、報道されている情勢なども鑑みながら、情勢がぎりぎりの選挙区を中心に、小選挙区での勝利を目指して、12日間戦った。

 まず、大前提として私が重点選挙区と定めたのは、東京7区と東京15区であった。両方の選挙区の候補には以前からかかわりがあった。
 東京7区(渋谷区、港区)の松尾明弘候補。2年前、参議院選にて東京選挙区の戦いをともにした。党勢の厳しい時期を一緒に戦い、その後は松尾さん経由で党員になったり、ふたりでポスター貼りに出かけたこともあるほどの旧知の間柄である。相手は、丸川珠代元五輪大臣(前参議院議員)。知名度はあるが、安倍派の「裏金問題」の中枢であった。かつて、渋谷の旧7区を地盤とした長妻昭元厚生労働大臣(現東京27区)に対し、「この愚か者めが」と罵声を飛ばしたことは有名である。それだけに、後継の松尾さんに
引導を渡してもらうことこそが自民党による悪政からの転換の一歩となる。参議院選落選後に国替えでこの7区に移ってきた松尾さんは、毎日街頭演説や地域周りを熱心に繰り広げてきた。優秀な弁護士で、デジタルにも精通しており、浪人させているのがもったいないくらいの大物である。
 東京15区(江東区)の酒井なつみ候補。2024年4月の補欠選挙で初当選したばかりの新人である。あの「城東の奇跡」からちょうど半年、思い出の地江東で再び熱き戦いが繰り広げられる。酒井なつみさんは、女性の政治家を増やすことに熱心であり、区内には他の選挙区では類を見ないくらいに「女性の声が政治を変える」という立憲民主党のポスターが貼られている。夏に駅頭をともにしたときも、そのメッセージがつづられた旗が立てられていたが、「女性議員を増やすことが自分の使命」という熱い決意を語っていたのを覚えている。子育てや公務の中でも定期的に街頭に立ち、補選後も欠かさず知名度を上げ、ポスターを掲示できる場所も随分と増えた。自民党が若い候補を出し、無所属の格闘家も「リターンマッチ」を挑みに来る中で、「城東の奇跡」第2弾となるか、野党連携が完全な形ではかなわなかった中で、幅広い支持を得られるか―。

 このふたつの選挙区を軸にしつつ、東京都内の他の選挙区で激戦が伝えられる地区に都合が付けば飛んでいく、という方針を立てた。ところが、いざ情勢を見てみるとどの選挙区も競り合っている。激戦区全部に駆け付けることはできないので、ここは私が心から応援したいと思える候補やボランティアの空きがありそうな選挙区に絞って活動することに決めた。

 10月15日の告示日、私は江東区の酒井なつみ事務所に向かった。

いいなと思ったら応援しよう!