株式会社グラスルーツ
このnoteは、週明け全員が集まる会議の場でみんなに伝えている内容を可能な限りそのまま残しているものになりますが、今回はX(旧Twitter)にぶわーっと書き殴ったものを転載することにしました。
理由としては、以下のお知らせを受け取ったため。
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本文は以下より。
株式会社グラスルーツ
22歳の時に未経験の私を拾ってくれて、会社に迷惑しかかけなかったけど辛抱強く育ててくれた大切な会社。
採用試験では作文が課題にあった。
「モスキートに氷を売る方法」
いくつかのテーマからこれを選んで書いた。
商社で2年くらい働いていたし、一丁前の営業マンとして書いたつもりだった。
課題を送った後に面接だったので、作文が傑作だったのだと意気揚々に臨んだところ、
「山田くん、作文全然おもしろくなかったね。もう一回書いてみる?」
崖から落とされるような経験をした。
もう一回書いてみる?の質問の答えは一つしかないに決まっている。
次のテーマは「夏」で書いた。
自分がグラスルーツで働いているちょっと先の未来を妄想して、暑い夏に表参道駅で降りて、骨董通りなんていうスーパー超絶おしゃれな通りのスタバでコーヒーとスコーンを買って、店員といつものたわいない会話して、お店を出たらサングラスをかけて出社する、超イけている自分を書いた。
「暑い夏」と「熱い夏」をかけた気がする。恥ずかしい。
ウェブがやりたかったけど、紙の制作を重んじる会社だったから一年間は紙の制作物を担当した。
本当に、大変だった。
取材もライターさんにお願いせずに自分たちでやる会社。
400字書くだけでも校正で真っ赤になるような会社だった。
とある社内報の一部のコーナーを任せれた時は、デザイナーさんに文章を見直されるほどだった。
記者ハンドブックの読み合わせはよく居眠りして、先輩をムッとさせた。
ガラスのテーブルは打ち合わせがある度に拭かないとイけないから面倒くさかった。笑
わかりやすく、朝までやら土日やら普通に仕事する会社だった。
びっくりするのは、誰一人大変、死にそうみたいな感じがなかった。
クライアントのために淡々と、いい仕事をする集団。
アシスタントとしてだけど、誇り高い会社だった。
早く本当の仲間になりたかった。
1年が経過して、まだまだ未熟だったけど、ウェブも関われそう!みたいな感じになってきた。
クライアント先にディレクターとデザイナーと訪問したりもした。
そんな矢先だった。
リーマンショック。
最初は誰もなにが起こったのが不明だった。
社長もバタバタはしていたけど、今、会社にはこれくらいの資金があるから大丈夫だよ。
と、伝えてくれたこともあった。
でも、難しかったのだと思う。
それは、今でも覚えている。
会社が無音。
広告代理店からの仕事は一旦止まり、ほとんどの新規の商談は途絶えた。
会社に出社しても無音なのである。
打ち合わせもなければ、カタカタ原稿を書くことも、Enterをスパーン!と叩く音も、ヘッドフォンしながら自分の世界に入ってデザインすることもない。
やることがない。
社長は審美歯科向けのDMを打ったり、できることはとにかくやろう。と動いていた。
社内のメンバーに、なぜ電話(テレアポ)を手伝ってくれないのか。と怒っている姿も目撃した。
そのくらい必死だった。
営業として動いてきた集団ではないので、確かに酷だったのかもしれない。
自分の人生を振り返っても、あの経験はとても貴重だったと思っている。
ドタバタしている中、決定したことがある。
15人の内、9人をリストラする。
自分が切られるのは当然だろうと思った。
やはり、その通りだった。
残れる人と残れない人が決まるかもしれないという中で開催された社長との個人面談。
社長が近くの喫茶店にこもって、一人ひとりと話す時間。
自分のタイミングがやってくる。
言いづらかっただろう。ごめんなさいとも言われた。
自分でもよくそんなこと言えたなと思ったけど、とっさに出た言葉がこれだった。
「会社が残って良かったです」
なんの実績もつくることができなかった若造のキザな言葉を15年経った今でも覚えてくれていて、10年ぶりに再開した時には涙を流してくれた。
転職が決まるまでは給与保証するから仕事せずに転職活動してー!がんばれー!って言ってくれたことは今でも昨日のように覚えている。
あれがあったから、直雇用ではなかったけどYahoo!なんていう大きな会社のサービスに携わることができた。
1年しかいることはできなかったけど、自分の人生がギュッて詰まった会社、それがグラスルーツ。
骨董通りはランチが高過ぎるので転職後はだいぶ楽になりました。笑
今年で40周年を迎える時に、大きな意思決定をされた。
なんだかとても感慨深い。
感慨深くて思わず筆が乗ってしまった。
トレンド・プロさんの社長もご挨拶したことがあるので、お二人でがんばってほしいと思う。