FLATLAND.
憧れのニュータウンがある。雲の上に伸びるマンション、空飛ぶ車、ビッグスクリーン、ビタミン、クラブソーダ。時代の科学者たちはこぞって家族を連れて引っ越してくる。ここでは時間もモノもありふれていて、若者の間では外に出てスポーツをするのが流行りだ。町の中にある公園にはいい風が吹くし、今やこの町で起こること全てが未来で、誰もが幸せを幸せだとわかっていた。
これがようやくたどり着いた答えだと思った。
今までのは過ちで、端から僕たちはこうなるべきだと求めていたのだ。
しかし、町は消える。愛すべき人々も、夢の町も、次第に忘れ去られる。いつものことだ。幻想は崩れ、古き良き時代なんてものもどこにもない。
仕事ばかりで気が付かなかったか?外は真っ暗で、きみは完全に置いてけぼりだ。始まりも終わりもなく、どの道から来たのかも方向もわからなくなってくる。人生はいつだって気まぐれだし、そもそも自分の身体だって思い通りになっていない。
僕たちはずっと、理想のニュータウンを目指してきた。
自分が今歩いている道が、必ずや正しいもので、きっといつか、この登り坂が終われば、あそこへたどり着けるはずだと。
何が正しいのかがわからなくなった今、道を進んできたその足が止まる。サッカーの試合みたいに、ゴールがあって、きみは良いプレーヤーだと言ってくれる監督がいたらいいのに。
そういえば、サッカーにも正解はなかった。教わったのはこうだった。「サッカーに正解はない。しかし、ゴールを決めてゴールを守れば、それは限りなく正解に近い。」
ゴールをゴールだと思ったのが間違いだった。
そろそろ気づくべきだった、ただ道が続いていればいいと。
答えばかりに気を取られて、本来それがどんな形をしているかを見失ってしまう。僕たちはどこへでも行けるし、道の途中にきれいな花が咲いていたっていい。ジャズが好きだからサッカーを始めるなんて人がいてもいい。
ニュータウンも、サッカーゴールも、限りなく正解に近いとわかっていれば、そこへつながるパス1本に全てを懸けるべきだとわかるはずだ。
今一度、悲しいことには悲しいと言い、楽しいときには楽しむことだ。
未来にさよならして、今立っている場所を足の裏全体で踏みしめる。
見渡す限りフラットランド(平面)が広がる。
照りつく太陽に汗がにじんでくると、土臭さが鼻をついて離れない。
それが、自由の匂いだ。
スペイン1部でプロサッカー選手になることを目指してます。 応援してくださいって言うのはダサいので、文章気に入ってくれたらスキか拡散お願いします! それ以外にも、仕事の話でも遊びの話でもお待ちしてます!