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星になれ。
変わるものと変わらないものがあり、加速していく時代の流れの中で何とか自分に折り合いをつける。目の前のことに気を取られているうちに大人になっている。
するとある日、鏡を見てふと思う。
「誰だこのふざけた顔をした野郎は。」
どんな時も自分が何者であるかを忘れてはいけない。今がいつなのかも、何をしなければいけないのかもきっと分かっているはずだ。少年は夢をきみに託し、いつでも見ている。
しかし、もう1つ忘れてはいけない事実を教えよう。
おめでとう!きみは豊かなこの地球に生まれて、食べる物には困らず、毎日太陽が昇っては気持ちのいい朝がくる。そしてこの地球には何より人間が一杯いる!しかも、今もなおその数は増え続けていて、東京に来ればそれはたくさんの人間を見ることができるだろう。
ニュースを見てどんなに世界に見切りをつけたくなった時でも、やはり僕たちは自分とは見た目も考えも違う大勢の人々と向き合わなければならない。
誰だってその中で何かを諦め、それでも自分の正義を信じてやってきた。あるいは、自分だけのヒーローがいただろうか。
少年の夢はどこまで続いている?
大人になればどうしようもないことだってあって、仕方がないと折り合いをつけた自分を誰が責められようか。いい会社に入るには大学を出なければいけないし、その為に学校ではいい成績を取り続けて、人の言う事はよく聞かないと。
人生が思い通りじゃなかったとしても、誰のせいでもない。だって、こうする他になかっただろう?
太陽が沈み、遠くに見える水平線がぼんやりと歪んでくる。
世の中、誰のせいでもないことばかりだから、その波は夜の海辺のように誰かにそっと押し寄せてくる。
僕たちにアイヒマンを裁く権利があったのか?
今更になって会長、理事長、あるいは国を、資本主義を悪者に仕立てて晒し者にするなんて、卑怯じゃないか。そうするしかなかったから仕方がないと言って、自分だってその一翼を担っていたのではないのか。
サッカー部の同期の声が聞こえてきそうだ。
「りき、指先が外だよ。」
どんな時も自分が何者かを忘れてはいけない。今こそ、人生を自らの手に取り戻す時だ。誰のせいでもないなんて気配に紛れて、自分を諦めるな。フォローするな。フォローさせるな。
星になれ。
誰とも違う自分だけの生き方を。
そんな人はきっと、誰よりも優しく温かい顔をして笑ってる。
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