24-46 コーチの責任、選手の責任

 もし仮に、チームの目標が所属しているリーグでの優勝であるならば、その目標に向けて勝つことに対して努力することが責任となるだろう。しかし、そこまでにいく間に、実は言語化しておいた方が良い責任が存在するのではないだろうかと思い、今週は責任について考えてみた。コーチ、スタッフ、マネージャー、選手の立場で考えてみました。チームによっては、スタッフと、マネージャーの切り分けが曖昧だったりする・融合されているケースもあるかもしれませんが、立場により責任が異なると考えています。これは、指導的な立場にある選手も同様で、コーチの一面としての責任と、赤手としての責任は異なります。その辺りは文脈から判断いただければと思います。

 

「主体性」を一つの柱とするチームにおいて、コーチ、スタッフ、マネージャー、そして選手は、それぞれが自発的に責任を果たし、チームの成長と成功に貢献することが求められます。以下に、それぞれの役割に応じた「主体性」を軸とした責任を言語化します。

 

1. コーチの責任:コーチは、チーム全体の方向性を示し、選手やスタッフが主体的に行動できる環境を整える役割を持ちます。単に指示を出すだけでなく、選手やスタッフが自ら考え、行動に移せるようにサポートすることが求められます。

 

1.1 主体性を引き出す指導

選手が受け身ではなく、主体的にプレーに取り組めるよう、コーチはサポートする責任があります。質問や意見を引き出し、自分の考えをもって行動させることが、選手の成長に繋がります。

具体例: 指導の際に、選手に「なぜその選択をしたのか?」と問いかけ、自分で考える習慣を促す。戦術や戦略の意図を理解させ、各選手が自分の役割を深く考えられるように導く。

 

1.2 主体的な学びをサポート

コーチは、自分自身も学び続け、より良い指導を追求する責任があります。自身が主体的に学ぶことで、その姿勢がスタッフや選手にも影響を与え、チーム全体の向上に寄与します。

具体例: 定期的に最新のトレーニング方法や戦略を学び、それをチームに共有する。選手からの意見や提案を取り入れ、柔軟に指導法を改善する。

 

1.3 チーム全体の主体性を促すリーダーシップ

チーム全員が自ら考え行動できる環境を作るため、コーチとしてのリーダーシップを発揮し、指示待ちの状態ではなく、互いに主体的に支え合うチーム文化を作る責任があります。

具体例: コーチングスタッフ全体で意見交換し、選手一人ひとりに責任ある役割を持たせる。リーダーシップトレーニングや主体性を促すワークショップを行い、選手やスタッフが自主的に行動できる環境を作る。

 

2. スタッフの責任:スタッフは、コーチや選手が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、主体的にサポートする責任を負います。指示を待つのではなく、試合や練習の状況を把握し、自発的に行動することが重要です。

 

2.1 自主的にチームの必要を把握しサポート

スタッフは、選手やコーチが必要とするものや状況を事前に察知し、積極的に準備・サポートを行う責任があります。

具体例: 練習や試合のスケジュールや必要な道具の確認を主体的に行い、不足があれば提案し、迅速に対応する。選手やコーチの声を拾い上げ、必要なサポートを提供する。

 

2.2 情報収集と提案

スタッフは、自分の業務に限らず、チームの成長に役立つ情報を積極的に収集し、コーチや選手に提案する姿勢が求められます。

具体例: 競合チームの情報を分析し、試合前にコーチや選手に情報提供する。新しいトレーニング方法や改善策を見つけ、チーム内で共有し、主体的に意見を出す。

 

2.3 主体性を持ったチームの一員としての自覚

スタッフは、裏方であると同時にチームの一員であり、試合や練習に対する積極的な姿勢を持つ必要があります。自らの役割に責任を持ち、主体的にサポートすることで、チームの結束を支えます。

具体例: 試合中の状況に応じて、選手が必要とする道具や飲料を臨機応変に提供し、チームの流れを途切れさせないよう意識する。

 

3. マネージャーの責任:マネージャーは、選手やコーチ、スタッフがスムーズに活動できる環境を整えるだけでなく、自分の役割を超えてチーム全体を見渡し、主体的にサポートを行う責任があります。

 

3.1 主体的なスケジュール管理と調整

マネージャーは、スケジュール管理やチームの運営に関わる全ての業務に対し、責任を持って取り組むことが求められます。スムーズな試合運営ができるよう、スケジュールやリソースの調整を主体的に行います。

具体例: 試合や練習の日程調整だけでなく、各種手配や連絡を事前に済ませ、準備が万全であることを確認する。

 

3.2 選手やコーチへのサポートとフィードバック

選手やコーチが自主的に改善しやすい環境を整え、必要なサポートを提供することもマネージャーの責任です。彼らが主体的に取り組めるよう、適切なサポートやフィードバックを行います。

具体例: 練習の進行や試合の準備状況を見守り、気づいた点があれば選手やコーチにフィードバックし、自ら改善提案を行う。

 

3.3 チーム全体を俯瞰し、自ら行動する

マネージャーは、選手やコーチが目標に集中できるよう、常にチーム全体の状況を把握し、自発的にサポートする責任があります。常に周囲に気を配り、必要な支援を提供する姿勢が求められます。

具体例: 試合中の選手の表情や体調の変化に気を配り、必要があれば迅速に対応する。

 

4. 選手の責任:選手は、競技者としての自覚を持ち、主体的にトレーニングや試合に取り組む責任があります。自ら考え、行動することが求められるため、自主的な姿勢がチームの成果に大きく影響します。

 

4.1 自らの目標設定と達成への責任

選手は、自分自身の成長のために目標を設定し、その達成に向けて主体的に取り組む責任があります。

具体例: 自らの課題を明確にし、トレーニングや練習内容に反映させる。目標達成のために日々の練習に全力で取り組む。

 

4.2 自己管理と向上心

選手は、体力や技術だけでなく、体調管理やメンタルケアも含め、自らのコンディションを常にベストに保つ責任があります。日々の生活習慣や準備においても、主体的に管理を行う必要があります。

具体例: 食事や睡眠、ストレッチやリカバリーなどを自ら管理し、体調を万全に整える。必要なスキル向上に向けて自主練習を取り入れる。

 

4.3 チームへの主体的な貢献

選手は、個人の成長だけでなく、チーム全体の成功のために主体的に貢献する姿勢が求められます。自分の役割に責任を持ち、チームのために何ができるかを常に考え行動することが重要です。

具体例: 試合中や練習中に積極的に声を出し、チームメイトを鼓舞したりサポートしたりする。チームの戦術や戦略に対して意見を出し合い、自分がどのように貢献できるかを考える。ポジションごとに役割を理解し、プレーごとに全力を尽くす。

 

4.4 フィードバックと自己改善

選手は、フィードバックを主体的に受け入れ、自分のプレーや取り組みを見直す責任があります。コーチやチームメイトからの意見に耳を傾け、改善すべき点を自ら考え、次の行動に活かす姿勢が求められます。

具体例: 試合後や練習後に自分のプレーを振り返り、コーチや仲間からのフィードバックを積極的に受け入れる。課題を洗い出し、次の練習や試合でどのように改善するかを計画する。

 

4.5 主体的な精神的準備

大事な試合やプレッシャーのかかる場面で、冷静に自分の力を発揮するためには、メンタル面での準備も重要です。選手は、精神的な強さを養い、自分自身を常にベストな状態に保つ責任があります。

具体例: 自分に合ったメンタル調整の方法(深呼吸、ルーチン、イメージトレーニングなど)を取り入れ、プレッシャーに対して冷静に向き合える準備をする。試合や練習での不安や緊張に対処し、主体的にメンタルケアを行う。

 

結論

主体性を柱とするチームにおいて、コーチ、スタッフ、マネージャー、そして選手はそれぞれの役割において、自ら考え、行動する姿勢が求められます。コーチは選手やスタッフの主体性を引き出し、スタッフとマネージャーは周囲を主体的にサポートし、選手は自己管理とチーム貢献を自ら進んで行う責任を持ちます。各自が主体性を持って責任を果たすことで、チーム全体が成長し、目標に向かって一丸となって進むことができるでしょう。

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