山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第八十九回 超キュートだけどくそブチ上がる胸キュン必至のエレクトロ・ポップ特集
はいどうも。
突然ですが今日の記事はJC限定なんで、JC以外は帰ってください。
おしゃべりとかわいいものを集めるのが好きで、放課後はみんなでプリクラ撮って、休みの日にはツイッターで見た話題のお店で友達とパンケーキを食べるのが好きなJC以外が本稿を読むことは断じてまかりなりません。
サッカー部のエースで、みんなの憧れの存在の小田切先輩にひそかに恋心を寄せているけれど、『どうせあたしなんか相手にされるワケないし……』と思いながら部屋で小田切先輩のインスタを見ながらひとり溜息をついているJC以外、本稿は閲覧禁止です。
どうしても読みたいという方は、自分がJCだと強く思い込んでください。上記されたようなJCだと強く思い込んでください。この文章は、あなたがJCでない限り、またJCであると強く思い込まない限り、効力を発揮しない。
人間は原子よりさらに小さい電子という粒子の集合体であり、粒子は定まった規格を持ちません。それらは観測者の思い込みによって形作られているだけで、現在、あなたがあなたなのは、あなたがあなたであると思い込んでいるからに過ぎません。自我の底から強く思い込めば、あなたは一瞬で何にだってなれる。
思い込んでください。
強く、強く思い込んでください。
自分がJCであると。
そして青い夢と微熱のような淡い恋心を胸に抱きながら、本稿を読み、音楽を聴いてください。
14歳のJCと、36歳のOLは、おなじ音楽を聴いたとしても、まったく別な受け取り方をするはずです。
そういう意味において、我々は全員、別な世界を生きている。
その別な世界を尊重するということが差別なき社会です。
どうか、この本稿を読んでいる間だけ、あなたがJCになれますように。そうすれば、この音楽たちは全く別な響き方をするはずです。
というワケで、山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第八十九回は“超キュートだけどくそブチ上がる胸キュン必至のエレクトロ・ポップ特集”と題して、現役のティーンエイジャーに、もしくはテンポラリーなティーンエイジャーにブッ刺さる、心臓がバックンバックンいって胸がキュンキュンして力が湧き出して来るような、珠玉のエレクトロ・ポップをご紹介していきたいと思います。みんな、いくわよ!!!!!
一曲めは、Wave Racerで『Introooo(feat.Cosmo's Midnight)』。
オーストラリアのDJ/トラックメイカー、Wave Racerです。
もともとネット発のひとで、どのトラックも全体的にAカルチャー感が強いというか、オタク臭いんですよ。
でもそのオタク臭さがなんというか……こう……胸キュンなんですよ。
名前の由来もニンテンドー64のゲームからだし。
まあまさに『Introooo』って感じの曲ですよね。アニメのオープニングみたい。これがオープニングのアニメがあったらハッピーエンド確定ですよね。まあ人生なんて全てハッピーエンド確定ですけどね。俺がもし女子中学生だったら、っていうか女子中学生ですけど、登校するとき毎日必ずこれ聴いてたと思う。聴いてたと思うっていうか、聴いてます! ぴえん!
二曲めは、ORESAMAで『オオカミハート』。
これ昨日知ったんですよ。
ORESAMAって『ドラマチック』しか知らなくて、『YUKIさんの楽曲をエレクトロ感強くしたカンジだなー。80sアニメを現代風にアップデートしたアートワークもかなり重要なフックになってる。今っぽいなー』という感想しか抱いて来なかったのですが、これめっっっちゃくちゃいい曲ですね。全然知らなかった。しかもこれかなりバズってるし。アニメのタイアップついてたっぽいし。2014年の曲だし。俺はこの6年間何をしていたんだ……!
検索したらORESAMAって男女のユニットもので、女子が作詞して歌って、男子が作編曲してんですね。転調とかサウンドエフェクトがかなり技巧的というか『うわそう行くんだ!』って驚きがめっちゃありますね。
すげえいい曲。
三曲めは、tomgggで『butter sugar cream』。
tomgggと書いて、トムグググと読みます。うむ、いかにもインターネット世代って感じですな。ハンドルネーム感覚っていうかね。これユニットとかじゃなくて、トラックメイカーなんですよ。しかも作ってるの男性なの。ぶっとびー。
もうとにかく10代女子をターゲットにしたトラックというか、ピコピコキラキラコロコロしてて、カワイイの一言に尽きますね。コード遣いとかもおしゃれだし。聴くパンケーキって感じですね(は?)。
最近出たEPも良かったです。特にこの泉まくらと一緒にやってるやつ、名曲ですね。
四曲めは、ぱいなっぷるくらぶで『finderrr』。
2014〜2016年辺りにトロピカル・ブームってのがあって、JINTANA & EMERALDSとかVIDEOTAPEMUSICとか、南国っぽさを漂わせた音楽がちょっと流行った時期があったんですよ。
で、このユニットは完全にその潮流のひとつですね。女性二人組ユニットです。エレクトロ・ポップを基盤として、ヒップホップとか琉球民謡とかを詰め込んだ、振れ幅が大きくて自由度の高い音楽をやっていらして、とても愉快です。
五曲めは、KOJI1200で『ブロウ ヤ マインド』。
はい、ラストはこの曲です。坂本龍一とダウンタウンが組んだゲイシャ・ガールズのヒットに気を良くした吉本興業が打ち出した第二弾企画。
司会もトークも正統派漫才も不条理コントもこなすスキルフル芸人・今田耕司と、ディー・ライトのメンバーとしてビルボード4位を記録した逆輸入プロデューサー・テイトウワがガッツリ組んで制作された名盤『アメリカ大好き!』の大名曲、『ブロウ ヤ マインド』です。
tofubeatsの『水星』の元ネタとして有名なこの曲ですが(tofubeatsがカラオケ入ってこの曲のオケ流しまくりながらひたすら耳コピしたらしい)、『水星』をカラオケで入れると、
作詞:今田耕司
作曲:テイトウワ
になるということはあまり知られていません。作曲は分かるにしても、作詞は絶対に違うだろって思うんですけどね。『水星』のカラオケ印税が今田耕司に入っているという世にも奇妙な物語です。
ナンセンスの極みみたいな歌詞、一度聴いたら忘れられないメロウなシンセ・リフ、そして東野幸治の客演と、どこをとっても『わかってる』感満載です。めちゃめちゃイケてる。いや、ごっつええ感じ。
切ない曲にくだらない歌詞を乗せると一見笑えるようでいてものすごく泣けるんだ。という、70年代のギャグ歌謡のパターンを踏襲してますよね。
このあともう一枚、このコンビでアルバム作ってるんですけど、『マインド・ゲーム』の声優と並んで今田耕司の最も素晴らしい仕事のひとつだと思う。アルバム二枚とも素晴らしいです。
はい、というワケでいかがでしたでしょうか、山塚りきまるの『なんかメロウなやつ聴きたい』第八十九回 超キュートだけどくそブチ上がる胸キュン必至のエレクトロ・ポップ特集、そろそろお別れのお時間となりました。次回もよろしくお願いします。嫌なニュースばかりの狂った世の中ですが、隙あらば胸キュンしていきましょう。胸ときめく瞬間を一つでも多く掴まえていきましょう。お相手は山塚りきまるでした。
バイビ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
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