国体選手という制度。背水の陣 2021/4/19
こんばんは。
久しぶりになってしまいました😓
先日、大学を卒業したという記事を書きました。
今日はその後、栃木県に来た話です。
なぜ栃木に来たのか
僕は、4月1日から栃木県スポーツ協会から「スポーツ専門員」に任命され、スキーをしていくこととなりました。
スポーツ専門員???て感じだと思いますが、「県に雇われ国体の選手になった」と言えばわかりやすいかもしれません。
僕が今回所属することになった栃木県は2022年の10月に国体を開催します。
国体は、1月〜2月にかけて行われる、スケートやアイスホッケー、そしてスキーなどの冬季種目から始まります。
そして2022年であれば、10月に栃木で行われる夏競技の本国体の成績と、先に行われる冬の冬季競技の成績を合わせた都道府県別優勝が、天皇杯・皇后杯と呼ばれるものです。
国体開催の都道府県は、何十年に一度のイベントの成功としてこの天皇杯・皇后杯を目指します。
ではなぜ栃木県なのか、全く雪なんてないじゃないかと思った方。
その通りです😂
雪の降らない栃木県にはスキー選手がほとんどいません。
アルペンスキーの強い高校はありますが、クロスカントリーやジャンプなどノルディック系は全くです。
そのため、天皇杯を目指す栃木県の弱点を補強するために、はるばる長野から私は買い取られました😂
国体を開催する都道府県はどこも、このようにして弱点補強を行います。
これが「スポーツ専門員」、国体選手です。
同じく、秋田のコンバインド選手の木村君も栃木にやってきました。
木村君はコンバインドのナショナルチーム😲
超有力選手なので、注目していてください。
冬季種目はできない都道府県も多いので、雪のある場所で分離して開催されることが多いです。
つまり秋田も地元国体のために選手を集めてもいいはずなのですが、それは叶わず栃木にやってきました。
また同じく、私の出身地の長野県も、少し先ですが2028年に本国体(10月くらいにやる本番)も控えています。もちろんスキーも長野県です。
秋田も、長野もスキー国体では北海道を合わせた3強の県です。大体この3県がスキーの優勝を争います。
スキー強豪だからこそ、スキー選手がこのような選手の対象に向かいないのかもしれません。
地元の、大好きな長野の選手として競技ができないことはとても残念ですが、栃木県に拾ってもらえたことに感謝です。
栃木で何をしているのか
栃木に来て何をしているのかと聞かれれば、スキーだけです。
ほぼプロ選手のような環境を用意していただきました。
今は、栃木県民としての国体出場資格を得るために、県内に住んでいますが、サマージャンプを飛べる頃になればまた長野をトレーニングの拠点にします。
他の都道府県でも、スキーで国体選手になった人は多くいますが、大体はトレーニング拠点と、居住地が別なのではないでしょうか。
出場資格のルール的にはギリギリですが、、、😂
栃木県スポーツ協会や、県で何か業務をするわけではありません。
お金の話をすれば、私の給料は月25万円です。
新卒で、地方で25万はなかなか多いと思ったかもしれませんが、この25万円から、
遠征費
道具費
トレーナー費
栃木での生活費
などなど
全て払わなくてはいけません。(とにかく国内遠征費と道具が高い、できれば海外遠征も行きたい😭)
幸い、スポンサー企業様や、個人サポーターの皆様からも、資金援助していただけましたので、何とか一年活動できそうですが、練習拠点となる長野に実家がなければかなり厳しかったと思います。
それでも今は、スキーに専念できる環境を整えていただきました!
ほぼプロのような状態で1年間スキーができます。
しかも、このお金は税金、、、
国体を開催する偉い人たちの気持ちとは反対に、よく思わない気持ちの栃木の皆さんも多いでしょう。
このご時世、ほとんどの人が「そんなとこにお金を使うのか」と思うかもしれません。
これだけ時間的に、金銭的に、恵まれたことは今までなかったので、このチャンスを、時間を、お金を、無駄にせず、しっかり応えなければいけません。
一年だけの延命
こんな私でも、拾ってもらえて良かった。
スキーが続けられて良かった。
ほんとにその通りです。
が一方で、これで選手として安泰というわけではなく、2022年2月の国体が終われば、私たちに用はありません。
私の契約は、2022年3月までの契約社員。
ここまでしていただいてこんなことを言うのも失礼ですが、1年間だけの使い捨ての駒であるのも事実です。
その他の競技であれば、国体終了後に栃木県内の企業に就職し、働きながら競技をするという選択もあります。
栃木県やスポーツ協会が、県内のアスリート雇用を検討する企業を紹介してくれます。
しかしスキーをしながら、栃木で働くというのはかなり時間的に厳しいです。
実は去年の春この制度を活用しようと、県に問い合わせていたのですが、スキーでの応募は厳しかったようです。県の方から、スキーでは厳しいと直接言われました。(専門員として入った今はもしかしたら状況が変わっているかも)
この問い合わせをしていなければ、今回のスカウトもなかったわけですが🤔
他の開催地に移ったりする例もあるようで、栃木にも他県のスポーツ専門員から来た選手がいました。
スポーツ専門員なんて、こんな美味しい話が何度もあるほど甘くもありません。
一年目にして、すでに背水の陣です。
僕の目標は2026年のオリンピックです。
あと5年がんばるには、この一年で他から引きがくるような大活躍が必要かもしれません。
それに僕は、新卒と言う大卒が誰でももらえる超優秀な権利をスポーツ専門員に使いました😂
スキー以外にも、誰もが幅広い可能性にチャレンジできる一生に一度のチャンスを、スキーに使ったのでそう簡単に引き下がるわけにもいきません。
と言うかそれだけのものを失ってでもまだ、スキーに挑戦したかったのです。
スキーをやめれば、安定した経済的に豊かな人生が送れたかもしれません。(何が豊かかは人それぞれですが😂)
もしこの制度で、スポーツを続けようと言う人がいれば、しっかり考えて欲しいです。
もし、一年後に引退するなんて選択をすることになっても、とても困るでしょう(絶対に避けたい)
なんとしてでもこの一年、プロ状態で活動できるチャンスをものにしていこうと思います✊