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写真を撮ってると忘れがちな「言葉にする力」
写真を撮っていて絶景に巡り合うとよく「ヤベェ」って言っちゃうんですが、最近このクセが良くないな〜と思い始めています。
「言葉はいらない!写真で語れ!」的なスタンスで振り切ってしまうのもありじゃね?とよぎることもあります。
が、30代にもなって語彙力が弱いと、仕事の場面でも「おや?」と思われかねないので、言語化力はやはり大人の身だしなみ。
”感性”のようなものばかりに身を任せず、左脳にもしっかり働いてもらわなくてはいけません。
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例えばこの写真。
この日は、深夜から亀岡で霧が出るかもしれないということで、同じフォトグラファーであるHisaさん(@ag.lr.88 on IG)と一緒に撮影に出掛けていました。
朝の5時ごろに自宅付近で拾ってもらい、車を走らせ亀岡へ抜ける山道を走っていると、次第に視界がモヤモヤに。
2人して「ガスってる!(ガス=霧)」とテンションも絶好調。
ただ、街中に出ると、霧はスッと引いていました。
亀岡を走っている気付きますが、やはり霧は山や川の近くが一番出やすいようです。
とはいえ、やはり僕たちは”持っている”。
6時頃には、しっかりと街中に霧が流れてきました。
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お目当てだった「霧×コンビニ」も無事に撮ることができました。
7時頃を過ぎると、太陽もしっかりと登ってきたので、亀岡で有名な霧の見えるお寺へと向かいます。
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ここから見える雲海の景色がとても有名なのですが、この日は太陽も登りきっていたため、やや微妙な感じ。
この日は偶然、テレビの取材もきていたようで、朝からデカいカメラを担いだ大人たちが大人数で展望台へ登っていきました。
そして、お寺へと向かう山道を車で降りて行く時に、冒頭の写真の風景に出会したのです。
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間違いなくこの日一番の絶景だったわけですが「なぜこんなにも感動したのだろうか?」」とふと考えてみました。
結論「期待値の低さ」が肝だと思います。
お寺に着いて展望台を見た瞬間、この日の撮影はすでに完了していました。
「あとは帰って朝ごはんを食べるだけ」という状態でお寺を後にしたので、”これ以上景色に期待していない状態”だったのです。
そんな中、行きの道中には出ていなかった、光芒が突如現れたので、この日一番の興奮へと繋がっていきます。
過去にも光芒を撮影したことはありますが、狙いに行った時とは明らかに喜びの大きさが違います。
よく「「君の名は」がヒットしたのはなぜか?」の理由に「CMを見ても面白そうじゃなかったから」という”期待値の低さ”が成功の要因だと言われているのは有名な話。(そして作品が超面白いから大ブレイク)
その瞬間の景色が素晴らしいのは当然ながら、その時の自分のマインドの状態も、感動の大きさに影響します。
こういう小さな気づきが、作品撮りや仕事に活かされていくのだろうな〜と思います。
やっぱりサプライズは嬉しいもんですな!
今回は、あえてその場の環境(景色そのもの)ではなく、鑑賞者の内側に焦点を当てて考えてみました。
ロマンもへったくれもありゃしません!
小さい違和感をしっかり捉えながら「ヤベェ」だけで終わらせず、言葉にする力を養っていこうと思います。