文理選択で理系に進もうとしているあなたへ
理系に進むと、大半の人はどのような進路を経てどのような仕事に就くのか。
具体的に教えてくれるものは意外と少ないと思います。
この記事では、学校では教えてくれないリアルな理系学生の進路について書きたいと思います。
文理選択の前にいる高校生に向けて書くものですが、就活中の理系大学生にも役に立つものになっていると思います。
記事に入る前にですが、私は理系大学を学部で卒業後、一般職(いわゆる文系職)に就職しました。
理系に進んだ後の進路
理系に進むと、ほとんどの人は高校卒業後に大学に進みます。
大学進学後の進路は人によって複雑なので、簡単に図にまとめてみました。
学部生前半(大学1~2年)
大学1年生からいきなり研究ができるわけではありません。
まずは、授業を受けて基礎を身につけなければなりません。
そのため、はじめはかなり多くの授業を受けることになります。
文系の人と比べると、授業数は圧倒的に多くなります。
ただ勉強ばかりというわけではなく、学生実験が週に何回かあったりします。
学部生後半(大学3~4年)
学部後半の期間は、研究室に配属となります。
研究室とは、大学で研究活動を行う最小単位の組織であり、教授の他に准教授、助教授、海外の研究生、大学院生などが在籍しています。
配属時期は大学にもよりますが、大学3~4年ぐらいからいずれかの研究室に配属されることになります。
ここでは自分が1から研究を行うというよりは、教授が行っているものを共同で研究するといった感じの人が大半だと思います。(もちろん研究室の方針や個人の能力次第で変わります。)
修士(大学院1~2年)
ここまで来ると、やっと本格的な研究を進めることができます。
基本的には学部生時代に配属された研究室でそのまま研究を続ける人が多いですが、このタイミングで他の大学や研究室に移籍することも可能です。
学会で発表を行う機会もどんどん増えていきます。
博士(大学院3~4年)
博士課程まで進む人はごくわずかです。
将来は、大学や別の研究機関で研究者としての道を歩もうと思っている人が行きます。
理系学生のターニングポイントは2回
①学部卒業時
学部生として大学に4年間通ったあとは、大学院に進むのか、はたまた就職をするのかという選択をしなければなりません。
多数派がどちらなのかは大学のレベルによります。
レベルの高い大学(主に国公立)であれば、大半は大学院に行って、さらに研究を深めます。
私立大学などであれば、大半はこの段階で就職します。
②修士卒業時
修士としてさらに2年間研究をしたら、その後はほとんどの人が就職します。
博士課程に進む人は、ごくわずかです。
理系の就職先
理系の人にしか応募できない職種を理系職といいます。
一方で、文理関係なく応募できる職種を一般職(文系職)といいます。
つまり、理系に進んだ人たちは一般職にも理系職にも進むことができるということです。
私は現在一般職で働いていますが、就職活動中は一般職と理系職の両方の選考を受けていました。
学部卒で就職をする場合は、理系でも一般職に就く人は多くいます。
割合的には、半々ぐらいの印象です。
一方、院卒で就職する場合は、理系職に就く人が多くなります。
せっかく大学院まで進んだのなら、そこで学んだことを少しでも生かしたいと考える人が多いようです。
もちろん、理系の大学院まで行ってから一般職に就く人もいます。
理系職種
ここでは、多くの一般企業においてどのような理系職種が募集されているのかをご紹介します。
よくあるパターンとしては、以下の3職種が挙げられます。(これが全てではありません。)
研究職
機械設計職
生産技術職
研究職
個人的には、研究職は理系職の花形と言えるような職種だと思います。
会社によっては研究開発職などと呼ばれることもあります。
企業の新製品を開発するために、日々研究することが仕事です。
そのため、志願者のレベルも高く、大手企業の研究職はほとんどが院卒という場合もあります。
ただ、中小企業であれば、学部卒でも可能性はあります。
仕事例)
化粧品メーカーで新製品開発を行う
食品メーカーで新商品開発を行う
機械設計職
モノを作るメーカーであれば、機械設計職は必ずと言えるほどあります。
機械の設計や開発を行うことが仕事です。
ここでいう機械とは、自動車や家電、精密機械などの一般向け製品から、工場や店舗設備などの法人向け製品まで様々です。
仕事例)
家電メーカーで試作品を製作する
はかりメーカーで法人向けのはかりを製作する
生産管理職
メーカーには、商品を作るための工場があります。
その工場の生産機能を支えるのが生産管理職です。
工場の生産ラインの改良、人員配置などを管理します。
仕事例)
重工メーカーの新規生産ラインの検討を行う
化学メーカーの生産設備のIoT化を進める
最後にこれだけは言っておきたい
理系職は研究や設計がメインとなります。
ということは、「工場や研究所で働く」ということになります。
そして大抵の工場は、土地代が安い田舎に立地します。
つまり、車がないと移動できないような田舎での生活や、工場の社員が共同で住む寮での生活になるという可能性も大いにあるということです。
だからと言って理系を諦める必要は全くありませんが、理系職の勤務地は割とクセがすごくて筆者は就活中に衝撃を受けたので、一応書いておこうと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、理系学生のバイブルになればと願っています。
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