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宅建試験「あと1点」の為に徹底した事

 かねてから不動産に興味があり、思いつくまま異業種から2023年の宅建試験にチャレンジしました。受験生の数や難しいという噂に怯えつつ春頃から独学で勉強して来て、運良く1回で合格することができました。
 皆さんご存じの通り、宅建試験のボーダー付近では多くの受験生が横並びになっていて1点が明暗を分けます。知識が合格レベルに達している人にとって、本番でミスをしないことは当日の体調管理と同じくらい大切です。
 中学受験から始まった試験勉強の経験を元に、宅建試験に向けて「あと1点」で泣かずに済むよう工夫したこと、試験本番で実践したケアレスミスを防ぐ「小技」を書き記しました。年に1度の大切な場において、拙文が少しでも貴方のお役に立てたのなら望外の喜びです。


【1】勉強で「おざなり」になりがちな2つ

 いくつかの宅建チャンネルの動画を見ていたのですが、受験生の方のコメントで気になった傾向が2つありました。

(1)「用語」がおざなり

 例えば「取消」と「消除」の使い分けです。宅建士の欠格事由に関する話題なのに、「○○に該当しても取消にならないのはなぜですか?」と質問していたり。知識は合格レベルでも、用語の使い方がルーズな方がいます。
 会話なら相手も察して話は通じますが、宅建業法の問題は「落とすための試験」と化しています。ちょっとした言葉の違いが、引っ掛け問題での失点に繋がりかねません。

 ご存じのように「宅建免許と宅建士資格」、「35条書面と37条書面」などは似たような用語が頻出する「引っ掛けの宝庫」です。用語を正確に覚え、使い分けることはとても大切です。

 他にも「保証金」という言葉がたくさん出てきますが、契約のどの段階で何に備える保証金なのか整理しておきたいものです。

(2)「流れ」がおざなり

 そしてもう一つは「時間の流れ」です。

 試験では様々な「契約」や「許可」について出題されますが、全体の流れの中で「契約」や「許可」のタイミングや前後関係を押さえることが疎かになっている感じの人を散見します。

 全体の流れをしっかりマスターしていないと、部分的には正しいけど順序が間違っている問題に引っ掛かってしまいます。

(例)
「宅建業者は営業保証金を供託した後でなければ業務を行ってはならず、業務を開始した後は遅滞なく供託した旨を免許権者に届出なければならない。」

「免許→供託→届出→業務開始」なので、後半部分が間違っていますね。
(ちなみに私は「免供届出業(めんきょうとどけでぎょう」と語呂合わせて覚えています)

 他にも法令上の制限の「都市計画事業」や「土地区画整理事業」の問題で、各手続きの前後関係があやふやなままの人が多いように思います。部分的な項目は暗記できているのに、順序があやふやで失点するのはもったいない話です。

(3)知識の体系化に役立つ「まとめ」作業

 用語を正確に認識し、全体の流れが分かってくると頭の中で「知識の体系化」が勝手に起こってきます。勉強を始めた頃には感じなかった「点と点が繋がり線になる」感覚です。葉や枝(用語)が木の幹(流れ)のどの部分にあるのかイメージできるようになってくると、過去問と少し違う切り口の問題でも対応できるようになりました。

 テキストや過去問からのインプットだけでなく、得た知識で自分独自のアウトプットをすることは理解を深め、記憶の定着に効果的です。
 市販の参考書には例外事項も含め、必要なことが漏れなく書いてあります。出版社側も分かりやすいよう・見やすいように色々と工夫してくれているのですが、それでも自分の場合「辞書を見て覚えようとしている感覚」に陥ってしまうんですよね。ですから市販の参考書を繰り返し眺めて覚えるやり方は苦手です。
 
 これを解決するために昔からやってきたことは、一つの単元・項目について自分オリジナルの「まとめ」を作っていくことです。参考書・ググった情報・YouTubeチャンネルで得た知識など、色々なソースの中から自分が気に入った説明を抜き出して単元や項目で分けて箇条書きしていきます。きれいにまとめる必要はありません。ダブってもOK。そして一つの項目についてある程度仕上がってきたら、覚える作業は参考書でなく自分で書き上げた「まとめ」を見て行います。

 この「まとめ」を作る際は、昔から無地ルーズリーフ余白を持たせて書くスタイルでやっています。無地だと、文字の大きさや位置、図や表など何でもストレスなく自由に書き込めます。ルーズリーフだと、ページの追加や書き直し交換も容易です。また余白を持たせて書くと、見やすい上に後から得た知見を書き足すこともできます。この追記作業ですが、すればするほど「知識の抜け」がなくなっていくようで、やってて最高に楽しいんですよね。

【2】試験勉強のテクニック2つ 「ケアレスミス回避法」と「記憶の定着方法」

(1)「自分を信じるな!お前は同じミスを本番もやるんだよ!」

人生において、自分の可能性を信じることは大切です。
でも「自分のクセがすぐ直ることを信じるな」と、声を大にして言いたいw

過去問を使い「すぐに答えを見ず、一旦考えてから正誤を判断する」練習を、ある程度の数こなしましょう。

その目的ですが、知識の習得度を確認することではなく、自分の「脳のクセ」を知ることです。ケアレスミスを防ぐにはこれが大事!

ケアレスミスをした際にありがちなのが、「あー、そうだ。勘違いしたわ。よし、本番では気をつけるぞ!」とその場で気合いを入れて終わるパターン。

慎重な人だと「○○は、××でなければならない」と言った具合に、間違えた問題の要点をノートに書き留めたりするでしょう。

でも違うんです。私が言いたいのはそういうのじゃないんです。

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