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[ ドイツ留学の学び#1] 世界の歴史と文化が自分の内在世界に流れ込んでくる感覚

どうもこんにちは!
ドイツ留学中の東大理系院生のKenです!

Tips系のnoteを書き進めると同時に,自分の考えを言語化して残しておきたい近い境遇にいる方や友人に読んでもらいたいと思い普通の日記形式のnoteも書いてみることにしました.(友人に紹介するのはだいぶ先かな😂)

また,目次の”本noteのきっかけとなった友人からのメッセージ”は友人からフランス旅行の感想を聞いて感動した文章を紹介しています.
ぜひこれから留学する人や現在留学している人がいれば、ここだけでも見ていって欲しいです.


ドイツ留学中の今だからこそ感じる感覚があると思うので,学びシリーズとしてここに残すことにしました.これとは別にシンプルに時系列順にドイツ留学の思い出をまとめる日記シリーズも書いていきたいので,続くと良いなぁとか思っている次第です(笑)

以降は自分の思考世界を言葉に落とし込む作業になるので,基本的にである口調で書かせていただきます.

世界の歴史と文化に”生で”触れるということ

私が留学に来て最も感動してることは,世界の歴史と文化に”生”で触れられていることだ.ここで,”生”を強調する理由は,その土地に立ち,自分自身の五感で触れることが非常に大切であると実感しているからである.

ヨーロッパ留学のメリットの1つに,様々な国の歴史や文化に触れる機会が豊富にある点がある.例えば,陸続きに異なる国が多くあるというのは新鮮で不思議な感覚であって,「地図上の国々」が現実的にすぐそばにいる感覚は日本にいた時にはなかった感覚だ.
街中(友人も)にはドイツ人以外の国籍の人々・ハーフが沢山いることは当たり前で,そのことも「地図上の国々」の現実感を引き立たせており,世界の動きや波動が自分自身に直接ぶつかってくるのを感じる.
また人との交流に加え,建造物・街並み・料理などをはじめとし,文化遺産を中心的に貯蔵する美術館や博物館でも世界の歴史や文化に触れる機会は沢山あり,触れるたびに「自分の中」に「地図上の国々」が流れ込み,新たな風景が広がっていく感覚を覚える.
(ここでいう「自分の中」とは単なる関心領域を超えた,自分自身の独自の構造化によって新情報が整理された空間のことを指す.そこで私はその概念を「自分の内在世界」と名付けることにした.)

本noteはその感覚の言語化の作業を通じた精緻化に挑戦するものである.
言語化が野暮になる瞬間もあるけど,その感覚の輪郭を残しておきたい気持ちもあるので

留学で生まれる歴史と文化との接点

ここではまず歴史と文化に”生で”触れる構造を整理してみようと思う.
私はその接点が2つのコミュニケーションからなると考えている.
それは言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションだ.私が使用するコミュニケーションという単語は,情報や何かしらの伝達を試みる働きのことを指し,主語は人間に限らないものとする.

言語コミュニケーション

まず,言語コミュニケーションに関してだが,私は世界の歴史や文化との接点が大きく2つあると感じている.
1.資料や記事による文章説明を介したコミュニケーション
2.友人との会話を通じたコミュニケーション

の2点だ.

まず1点目に関しては単純で,様々な歴史・文化に触れるたびにその言語を介した情報が自分の関心領域に流れ込んでくる.

そして2点目の友人との会話を通じたコミュニケーションに関してだが,実は私がこのnoteを書こうと思ったきっかけ,自らの感覚を言語化し他者に伝達しようと試みたきっかけがここにある.私は留学に来てから様々な人と新たに交流を持ち,彼らと様々なトピックについて話し合った.その中でも私の価値観の言語化に大きな影響を与えてくれた友人が2人いる.

1人目はフランス旅行に一緒に行った台湾人だ.彼は世界史(特にナポレオン)が大好きで,彼と共に回るフランス旅行は非常に楽しかった.日本人以外と旅行をするのも,友人と2人きりで旅行するのも非常に新鮮で,彼とのフランス旅行が私の中で非常に特別な思い出となった.常に英語で自分の感覚の言語化を試み,世界の歴史,特にキリスト教の歴史やフランス史について語り合うと,不思議と自分が歴史の延長戦上にいる感覚に陥った.(理系学生としては教養や世界史が自分ごとになる感覚が新鮮だった.
英語という世界の共通語を介した言語コミュニケーションを通じて,彼とフランスの歴史や文化に”生”触れると,「資料上の出来事」だった場面に触れられたかのような,歴史の場面に立ち会えたかのような感覚がそこで生まれた.後に出てくる『民衆を導く自由の女神』の絵はその感覚を非常に養ってくれた絵であった.
私の人生の中で彼とのフランス旅行は非常に大きく大切な出来事であるためまた今度noteを書こうと思っている.

執筆中のnote

そして2人目はドイツで出会った日本人の大学生だ.彼女も交換留学生としてドイツに来ており,様々な国を旅行するアクティブな大学生である.そして私は彼女との会話を通じて,世界の歴史と文化に”生”で触れることの大切さを実感するようになり,世界の歴史と文化が自分の内在世界に流れ込んでくる感覚が明確になっていった.
そのきっかけとなったのが,彼女から『民衆を導く自由の女神』についての感想を聞いたことだ.
民衆を導く自由の女神はフランス7月革命をテーマに描いた作品で,歴史に関する書物の表紙になっていたり,『レ・ミゼラブル』の登場人物ガヴローシュは絵に出てくる少年のモチーフとなった作品だと言われるなど,皆さんもどこかで見たことある作品では無いだろうか?

民衆を導く自由の女神

先にも述べた通り私もこの絵から非常に感銘を受けた.フランスのルーブル美術館で,約3m四方の大きさでこの絵を見た時に,本当に感動した.(これが後述する非言語コミュニケーションである.)

そして,私がまだ世界と触れる感動を覚えたてだった時に,彼女から「民衆を導く自由の女神の感想」や「フランス旅行でレミゼを見た感想」を聞いて非常に感動したのを覚えている.
その会話を抜粋させてもらった.

本noteのきっかけとなった友人からのメッセージ

私もこの絵見た時すごい感動して、、
今自分が立っている土地で、実際に起きてたことなんだって思うと、なんかぞくぞくしますよね、

その絵を見ただけでもすごい感動したんですけど、その後にフランス革命を題材にしたレミゼラブルを見たせいで、余計にいろんな思いが波のように来て、、
劇中でも、バリケードが倒される場面があるんですけど、その構図がほんとにこの絵みたいで昼間に見た絵を思い出して、ただ一部を切り抜いた絵だったものが、ミュージカルを通して前後のストーリーが加わったことで急に絵にも動きが見えたんです!

それを実際にあった土地で見れてるってことが、やっぱり現地の人の熱気とかも感じて、もう最高でした!!!

ほんとにこうやっていろんな国を旅行してると、特にヨーロッパは世界を作る中心地だというのもあって、世界は、歴史は繋がってるんだなーって感じますよね…
今自分が見てる景色は、何百年も前にこの地を治めてた王様が見ていたものと同じなんだなーとか思うとすごいわくわくするんです笑

でも、すごい感動したのと同時になんか恥ずかしさみたいなのも感じたんですよね
今まで自分は絵とか見てもフランス革命かっこいい!みたいな感じで思っちゃってたんですけど、そんな軽いものじゃなくて、ものすごい数の人のいろんな思いが絡み合って起こされた大切なものだったんだとレミゼ見て実感したので、、
しかも、それをフランスでフランス語で見れたことで、言葉には表せないとてつもないエネルギーを感じたし、原語で見れたおかげで、歌とかもやっぱりフランス語に合わせてリズムやメロディーも作られてるので日本語や英語とは違うしっくり感もあって!
やっぱり生のものに触れるの大事ですね😌

今見ても非常に素晴らしい文章であり,当時ただただ世界の歴史と文化に触れ圧倒されていた自分が,彼女の内在世界で言語化された感動を言語コミュニケーションを介して触れ,それを受け取ることで,自分自身の感動が整理されていったのを覚えている.
その過程を示す私の文章もここで紹介してみようと思う(笑)

「今自分が見てる景色は、何百年も前にこの地を治めてた王様が見ていたものと同じなんだなー」これと全く同じこと,昨日モーツァルトのコンサートを見てる最中に思った笑
今はネットで色んなものに触れられるけど,”生で”その迫力を感じたり,現代まで受け継がれてきた歴史ある場所で,リスペクトされ続けた文化・技術を感じることで,より自分の中にその景色が流れ込んでくる感覚になる笑

ごめん,思ったまま書いてるから何書いてるかわからないかもだけど笑


非言語コミュニケーション

これは言語を介さずに,音楽(クラッシックやオペラ),芸術作品,建築,街並み,料理などが自分自身に語りかけてくる歴史的背景や文化的要素の情報伝達の在り方のことを指す.
まぁ平たく言えば,”直感的にすげぇと感じ,自分で感想を膨らませることができる情報伝達”のことだ.
先の『民衆を導く自由の女神』もその一つだ.
以下に私が特に感動した,歴史や文化が私に流れ込んできた際の写真を紹介することにする.

ルーブル美術館の王室再現
サモトラケのニケ

私がドイツ留学中最もパワーを感じ,美しいと感じた作品がサモトラケのニケであり,大きな石像というシンプルな作品から大きなエネルギーを感じた.
それが歴史的・神話的な時代背景から生み出されるのか,はたまた直感に強烈に働きかける何かがあるのかはいまだに分からない…
神話についてももっと色々な知識を身につけた上で,神話という物語が自分の関心領域に入ってからまた再びパリにルーブル美術館に行きたい.

ハンガリー国立美術館の王室作品
ミイラ
エジプトの古代壁画

エジプトは当時どんなふうに人間が見えていたんだ…?!
この絵のタッチはなんなんだ?
どんな流れで死後の世界とか,肉体と魂っていう概念が生まれてミイラが出てきたのか..?
とか色々作品に触れることで思いを巡らせることができた.

パリ・ザルツブルグ・ミュンヘンなど….
都市の様相・建築様式はそれぞれ異なり,街を歩いているだけでその独特でユニークな雰囲気を感じ取ることができる.都市の歴史的背景や都市ごとの建築様式,さらには都市計画の中に宿るイデオロギー(例えばドイツはバウハウスの合理主義など)を目の当たりにすることで,街をただ歩いているだけで世界の歴史的背景や文化が自分自身の内側に広がっていく感覚を覚える.

というか正直,世界の歴史や文化に触れる瞬間というのは,このようにわかりやすい形にとどまらない.日常の生活にもふんだんに存在している.
電車の中の風景や,カフェで味合うケーキやコーヒー・紅茶,あるいは何気ない言語を介さないで自分に触れる全てが自分の内在世界に,”世界の歴史上の瞬間”として流れ込んでくる.
全てを記録として残すことは難しいかもしれないが,このように言語を介さずに自分自身の内在世界に,世界の膨大な歴史,かつては他人事に過ぎなかった文化が自分ごとになっていく感覚,この感覚こそが非言語コミュニケーションを通じた世界の歴史と文化との接点だと言える.

最後に

本noteでは,『旅行や友人との会話を通して様々な歴史と文化に”生で”触れることで生まれた感覚,つまりは歴史や文化が自分の関心領域に流れ込み,知恵や芸術として自分の内在世界で新たに構造化する感覚』の言語化による精緻化を試み,整理したものである.

引き続き,ドイツ留学で学んだこと,感じた感覚をnoteに残していこうと思う.

次は研究室訪問のTips系のnoteを書こうと思っていますので,お楽しみに!


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東大理系院生|Ken|🇩🇪留学中
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