見出し画像

面接前夜

履歴書を書いている。「手書きの履歴書の人は、顔も見ずに落とす」と言ったのはホリエモンだったと思うが、「いまどき、パソコンも使えないで、なんの仕事をするというのだろう」という内容の文を読んだことがある。それもそうかと納得して、パソコンで履歴書をゴリゴリと入力しているのだ。

それにしてもクサイ。わたしの頭髪だ。とても耐えられない。気持ちが悪い。明日の面接に備えて、美容院へ行って髪を切ってもらった。「これさあ、やっぱ染めようか、白髪。これじゃあちょっとね」とかかりつけの美容師が言った。「とりあえず、髪を切れば清潔感は出るけど、白髪はねえ。関口宏みたいよ」と笑う。カット分のお金しか持ってない、と言ったら「いいよいいよ、この次で。それよか、染めよう」わたしが「はあ」と、あまり気の入らない返事をしたら、ヨシと言わんばかりにキビキビと用意を始めた。

柔軟剤みたいな匂いがする頭で、わたしはこれを書いている。たまらん。しかも染料と相性がよろしくなかったんだろう。熱っぽくなってきた。このまま頭が発火しそうだ。

そしてここからまた一つ、難関が待っている。証明写真を撮りに行かねばならない。顔色がよくなるし、ちゃんとした社会人に見えるから、お化粧したほうがいいですよ、とアドバイスをもらった。本当にそうだろうか。美容室の鏡を見ても、メガネを外すと何も見えない。「ほい」と手鏡を渡されてびっくり。誰よ、このおばあちゃん。シワシワじゃん。まぶたがたるんでる。記憶の中の自分とはずいぶんかけ離れているのは、日頃から鏡を見ずに(顔を洗うときはメガネを外すし、メガネをかけたらすぐに鏡の前から離れる)いるからだ。やばみが深いよ、やばたにえんだよ、と中学生の真似をしても、若返るわけではない。

このフローラルの香りで気分が悪い上に、履歴書が厄介すぎる。子どもが生まれて以来、履歴書の要らないパートやアルバイトを転々としてきたので、職歴の行がかさむ。どんどん憂鬱になる。資格も特技もスキルもなんもないおばさんが、履歴書を書くって、かなり凹むものだとわかった。こういうのを「潰しがきかない」って言うんだな。しかも、職務経歴書も提出しろと言われている。面倒くさい。頭もクサイ。とはいえ、お風呂に入って頭を洗う時間はない。早く証明写真を撮りに行かなければ。

半ばパニックでnoteに逃避してみたものの、こんな日に限って、サクサク書ける。駄文はいくらでも書けるのねー。はにゃにゃフワ〜!



サポートいただけたら、次の記事のネタ探しに使わせていただきます。