しはらい

先月からムスメを雇っている。夕食後の食器洗いとお風呂掃除を頼み、賃金も払う。ひとつ一回、50円。１日に２つの仕事をするのだから、100円。これを1ヶ月続けると、3,000円である。

当初、「お小遣いを稼ぎたくないか？」とムスメにプレゼンしたら、オットから「それは小遣いとは言わない」と言われたので、それを「賃金」と呼ぶことにした。

しかし、最初は真面目にやっていた娘も、だんだん飽きてきたのか、途中から放置するようになった。翌朝、シンクに洗い物がどっさりそのまま残っていたので、わたしはキレた。やるって言ったのにやらないのは社会人として通用しない！！と言いたかったが、ムスメは社会人をやったことがないので、こんなもんだろう。しかし、働くことの責任感と、お金を稼ぐことによって得られる満足感は、そろそろ知っておいて欲しい。

夏休みを前に、再提案をした。項目は10個。
炊事（①調理②食器と調理器具の後片付け）
洗濯（①洗濯機で洗濯をして干す　②洗濯物を取り込んでたたむ　③アイロンをかける）
掃除（①掃除機をかける　②窓拭き　③風呂掃除）
＜特別枠＞朝、自分で起きてお弁当を作って身支度をして、遅刻せずに学校に行ったら100円

全部をやると１日550円、食事の用意など朝と昼もやれば、その分増えるし、続けていけばひと月15,000円も夢ではない。

わたしにそれだけの額を支払えるかと言うと、実際には無理である。せいぜい5000円までである。ムスメは三日坊主タイプで、もっと言うと面倒くさがり屋の上に忘れん坊なのだ。だから5,000円を超えることはまずなかろう、と踏んでいる。たとえ夏休みでも、昼まで寝ていて、適当にお菓子か何かをブランチがわりに食べて、ばんご飯をわたしが作って、お茶碗洗いをやるかどうかも怪しい。と、たかを括っていた。

しかし、ムスメが言うではないか。「夏休みは、前日は10時に寝て、翌朝6時に起きるキャンペーンをやるの」ほほー。いい心がけではないか。やれるもんならやってみてよ。ムスメに出来るかどうか、辛抱強く待つしかないのだが、「やる」と言うからにはやってもらおうではないか。

学校はアルバイトを禁じている。これまでは、「要る」と言った時に、必要な額を出して、買い与えていた。部活で使うクラリネットのリードなど、毎月3,000円が消えていった。リードは10枚入りだが、使える（自分に合う）ものは、その中に１〜２枚あればアタリだと言う。マジか、と思ったが、お金を出し続けるしかないのだった。

ノートもペンも、シャープペンシルの芯も、靴下もパンツもお菓子も漫画も、オットかわたしが買い与えてきた。それで事足りた。しかし、そろそろ趣味や人付き合いにお金が必要になってくる年頃だ。それを全部「必要だから」と言われてATMみたいに引出されても、ない袖は振れない。だったら、体力の低下が著しいわたしの代わりに、家庭内の仕事を請け負ってもらえば、わたしも楽になるし、ムスメも報酬がもらえてwin-winなのではないか？ただし、上限があることをわかっていて欲しいのだが。

ちょうどいい塩梅で働いて、ほどほどにサボってくれたらいいなあ。