誰だ。

毎晩、夢を見る。以前は起きた時に、微に入り細に入り覚えていたものだが、今は「んー。なんか変な夢だったな」と思うくらいだ。起きた時に覚えている夢が少なくなった。そして、覚えている範囲が狭くなった。こんなところにも、脳の衰えを感じる。

昨夜の夢では、わたしはオットとホテルにいた。ツインの部屋で、オットはまだ寝ていた。出張先だか、長期滞在だかで、「旅行」の楽しさはない。部屋に黒猫と灰色のシマシマの子猫がいて、二匹がじゃれている。わたしのベッドに潜り込んで、灰色の方はそのまま眠ってしまったが、黒猫がベランダのガラス戸をサッと開けて、広げた布の上で排泄の姿勢をとった。まずい。わたしが立ち上がった時にはすでに水たまりができていた。いやー困った。

わたしは部屋から出て、フロントへ行こうとしたのだが、エレベーターがガールスカウトの子どもたちでいっぱいだった。どうにかフロントに着いたら、今度は朝食を食べるようにと促され、サラダを食べ始める。そこに深津絵里似の友人がいて、「あとでお茶しよう」と誘われる。その時、自分がどの部屋から来たのか、わからないことに気づいた。部屋番号も、階もわからない。オットの携帯番号もわからない。自分は部屋に鍵も携帯も置いて来ている。これはまずいぞ。

「部屋番号がわからなくなりました。鍵も携帯電話も部屋に忘れて来ました。オットが部屋にいるのですが…」とフロントの女性に言ったら「お客さまのお名前を頂戴してもよろしいですか?」と聞かれた。「えっ」名前が思い出せない。焦ってますます思い出せない。女性の顔が曇った。「すいません、また来ます」と言ってフロントを離れたが、自分ではどうしようもない。

なんだったかなー。わたしの名前。なんだっけ。えーとえーとえーと。

…と、考えているうちに目が覚めた。わたしは誰だろう。

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