かつえだ
運転をしていたオットが「エビフライかとんかつが食べたい」と言い、ムスメがいいねと言った。わたしは揚げ物を食べたくなかった。それが外食の難しいところだ。
ファミレスとか居酒屋だったらメニューのバリエーションも色々あるだろうが、今回は「とんかつ屋」に行くと言う。とんかつ屋でうどんは注文できない。断ることもできず、揚げ物を食べるのか…と諦めかけた時、車は「味のかつえだ」に向かっていると気づいた。オットよ。エライぞ。
「やだな」の気持ちが、一気に「ありがとう」に変わった。
「味のかつえだ」はとんかつの名店。でも、とんかつと並ぶ看板商品がある。それが「ちゃんぽん」だ。ちょっと濃いめの味ではあるが、食べ始めたら箸がとまらない。熱々のスープを一口、そして麺をすする。コリコリのキクラゲとイカがたっぷり入っていて嬉しい。そうそう、この味。(福岡観光に来たら、ラーメン→もつ鍋→うどん→水炊き→ゴマサバなどが有名だが、お腹に余裕があれば、かつえだのちゃんぽんも食べてみて欲しい)
文章教室で「おいしいという言葉を使わずに美味しさを表現してみてよ」、と子どもたちにお題を出すくせに、自分は煉獄さんのように「うまいっ」と言いながら食べた。久しぶりだったので、ガツガツと食べてしまい、あっという間に丼は空っぽになった。オットはカツ丼を、ムスメはエビフライを食べて、「ふー。満腹、満腹」と言いながら帰った。
幸せなことだ。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートいただけたら、次の記事のネタ探しに使わせていただきます。