DIZZY
そりゃもう、目眩は今日に始まったことじゃない。ムスメが生まれてからというもの、目が回っていない日の方が少ない。
幼稚園まではそうでもなかったが、小学校に上がってからというもの、お決まりの「あした牛乳パックが要る」とか、「今日、布を持っていく」とか、実行不可能なミッションを言い渡されることが激増した。夏休みの宿題を8月25日を過ぎてから「あれをまだやってなかった」と言うし、それがまた、何日もかかる観察ものだったり、材料から揃えないといけない工作だったりする。
日々のミッションでも、セーラー服を毎日洗って欲しいと言うし、1日にバスタオルを3〜4枚使ったり、タオルを5〜6枚も使ったりするし、下着も3回着替えることがある。洗濯物の量がハンパないので、わたしは一日中、洗濯して干して畳んでを繰り返す。
自分のことは自分でせよ、というご家庭は多いし、それができるお子さんであるということは、大変喜ばしいことであるが、わが家はそうではない。そして、それを放置してはおけないわたしがいる。
自分で目眩を呼び込んでいる、と言っていいかもしれない。他人から見たら滑稽なことだろう。子育ての先輩たちからは「失敗しないと自分でちゃんとやろうという気にならないから、失敗させなさい」とか百万回も言われてきたが、忘れ物をして学校で叱られる、遅刻をして叱られる、という経験をしても、みじんもへこたれないのだから、毎朝起こして、毎朝「忘れ物はないか」と声をかけずにはいられないのだ。
時間は有限である。ムスメのあれこれに費やすと、わたしの時間が減る。わたしはわたしで、自分のやらねばならぬことがあるのだから、自ずと睡眠時間が減っていく。睡眠時間が減ると体に不調が現れる。めまいがして、身体中がカチカチに硬化していく。内臓が弱っていくし、見た目もヨレヨレだ。
重ねて言うが、他人からは「しなくていいこと」で自分をダメにしているように見えるかもしれない。しかし、このループから抜け出すには、まだ数年はかかると思う。