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かんげき

お芝居を見てきた。ある女性の20代の10年間のお話。1歳ごとに1人ずつ、つまり10人の女優が演じる。ハタチの自分、21歳の自分、という感じ。

お芝居が終わって、プロデューサーと演者がアフタートークの場に登場。今回のオーディションに臨んだ経緯や、演じてみてどうだったかなど、いろんな話が聞けた。

質疑応答の場になり、ハイと手を挙げた女性が質問する。「わたしは今19歳で、あと数日で二十歳になります。皆さんがもし、ハタチの自分に何か伝えたいことがあるならお聞きしたいです」

27歳を演じた女優は「いろんな辛いこともあるけど、絶対大丈夫!と言いたい」と答えた。それがすごく印象的だった。絶対大丈夫な何かを見つけたんだな、この人は。

わたしがハタチの自分に言いたいことはなんだろう。プラスになるから言ってあげたいこと。釘を刺しておきたいこと。本気で阻止したいこと。

「虫歯の治療はちゃんとやっておけ」「徹夜はするな」「貯金しろ」「なんでもいいから本気で勉強しろ」

あれ?これって、ムスメに言ってることばっかりじゃないのか。

ムスメはわたしじゃない。だから、彼女は自分の人生を自分で決めていく。だけど、気になるのだ。わたしが嫌だったこと、辛かったこと、キツかったこと、恥ずかしかったこと、全部、先に教えておいてやりたい。回避できるなら、そうさせたい。だが、それは無理なことなのだ。全部、ムスメが選びながら、自分の足で歩いて通る道なのだ。今ここでわたしがわーわー言っても、どうしようもないことだ。

28歳の役の人が「成人式の衣装は、本当に自分の着たいものを着なさい」と言った。そして事前に髪型を試せるのであれば、ぜひそうするように、とも言っていた。心残りがあるのかしら。

過ぎた日々のやり直しはできないけれど、それを受け入れることはできるようになっていく。ずっと受け入れられないままの人もいるだろうけど、受け入れて納得していくと、「別にもういいや」と思えて、手放していけるらしい。

わたしには、まだ受け入れられないこともたくさんあるから、過去のことで腹が立ったり、恥ずかしかったり、悲しかったりする。それを受け入れられるのはいつだろう。人生、修行だなあ。

来週は、今日のお芝居と対になった作品が上演される。40代の10年間のお話。楽しみ。

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りかよん
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