あかぺん
3本目のペンが消えた。赤、黒、赤、の順番で消えているのだが、今日は、わたしのペン立てから、スッと赤ペンを引き抜くところを見た。その人は日誌のファイルに書き込みをし、ファイルは棚に戻した。そして、ペンはそのまま自分のカバンに入れたようだった。
まったく悪気がないというか、無意識なんだろうと思った。今回のペンはテプラで職場の名前をテープの幅いっぱいに大きく太字で書き、ペンの本体にデカデカと貼っていた。「あの、そのペン、ペンたてに戻してくださいね」言わなきゃなーと思っていたのだが、いつ言い出せばいいのか、どう言い出せばいいのか、頭ではそう考えているのだが、それとは関係のない作業が山積みで、作業を進めているうちに言い出すことを忘れてしまった。気づけばその人は自分の持ち場に帰っていった。隣の建物なので、3分はかかる。たかがペン1本、わざわざ出向いて言うほどのことでもない。されど、ペン1本。仕事に大きく影響する。
残る赤ペンは1本。これは死守しなければならない。そして心に誓ったことは、私物は職場で使わないことだ。失った時のダメージが全然違う。職場の備品だと「共用だし、仕方ないか」と思えるのだが、私物だと「それはわたし…の…ああ」みたいな悲壮感が生じる。恨みがましい気持ちになるのだが、そもそも職場で私物を使ってさえいなければ生じない心境なので、そこは自分で避けるようにしたい。
日付が変わる直前になって、くだらないことを書いているなあと思った。でも、これが今日一番の決意である。
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