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灯りという恵み

日曜の夜に寝室の蛍光灯が切れた。寝室は二階にあり、ムスメとわたしが同室で寝る。日中は窓からの光で十分に明るい。日が落ちてからは真っ暗。当然ながら。だから、ムスメとアウトドア用のヘッドライトを使って、寝床を確認し、毛布を整え、布団に潜る。朝起きるのは、まだ夜明け前なので、再びヘッドライトをつけて、階下へ降りる。明るいって、ありがたいなあとしみじみ思う。こんな生活も、もう3日目だ。

蛍光灯を買ってくればいいじゃない。と思うだろう。わたしもそう思った。そこで家電量販店に型番を書いた紙を持って行ったが、中国出身の店員さんに話してもラチがあかない展開になった。わたしの気持ちとしては、この型番がネットで検索してもヒットしないので「店頭に来ればメーカーの資料とかがあって、探してもらえるのでは」という、うっすらとした期待もあった。しかし彼は自分のスマホで検索して出なかったので「ダメですね。出ません」で片付けられてしまったのだ。それを隣のレジにいた中堅どころ風の社員が見ていたが、「大丈夫かな」という顔をしただけで「何かお困りですか」とは言ってくれず、別のお客さんの対応を始めた。それでわたしは諦めて、すごすごと家路に着いた。それが昨日。

今日は、再挑戦。もう一度同じ売り場に行くと、今度は別の店員さんがいてその人に「この商品で大丈夫だろうか」と蛍光灯とグローランプの組み合わせを聞いた。するとその人も、「お調べします」とスマホを出した。「またか」と思ったが、その人は「ヒットしませんね。少々お時間ください」と言って、売り場の向こう側へ行き、固定電話でどこかに電話をした。

しばらく待っていたら、「解決しました」と戻ってきて、この蛍光灯でいいこと、グローランプはこれとこれを組み合わせること、と教えてくれた。「そして、この型番ですが、BLZではなく、8LZでした。だから検索しても出てこなかったんですね」とにっこり笑った。あー。そうだったのかー。老眼め。と、わたしは心の中で自分の目に責任転嫁をし、店員さんに深々と頭を下げた。

蛍光灯は買って帰ったが、今度は手が届かない。蛍光灯の型番を見るとき、スツールを持ってきてその上に立ったら、バランスを崩して落下してしまったのだ。それ以来、腕と肩が猛烈に痛い。だから無理はせんとこ、と思っている。それなのに、今日のオットは出張で、戻りは夜中になる。今夜もまたヘッドライトの出番である。本音をいえば、もういっそ、このままでもいいような気もしているのだが。


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